フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

頭で理解しても・・

タレントの卵君が、指導役のディレクター君と議論している。
「どうして、こういう話題をここに持ってくるの?何を言いたいわけ?」
「ええ、昨日新聞を見て、あ、これは面白いと思った記事があって、それをちょっと原稿にしてみたんですけど・・。」
「で、君が面白いと思ったところはどこ?」
「え?この記事面白いと思ったんですけど。」
「じゃなくて、何故この記事を面白いと思ったの、自分の言葉にしてそれを表現しないと、わざわざ君がそれを言う意味がないじゃない。」
「この部分が面白いとか、具体的に言えということでしょうか。」
「そうじゃなくて、リスナーが君の話を聞いているわけだろう。この人、何でこんな話をするんだろうとか、そんな話、昨日の新聞に出ていたじゃないか、と思われたら終わりなんだよ。ああ、この人はあの話をこんな風に解釈して、面白がっているんだということが伝わらなければリスナーなんか逃げていくだけなんだよ。」
「はあ、やっぱり自分の主張が要るということなんでしょうか。」
すれ違いの話を聞くともなく聞いている。
理屈でいっても、タレント君には通じないみたいだ。
ディレクター君が、じれているのもわかる。
声もいいし、そこそこの味もあるのだから、もう一歩進んだ喋り方をすれば仕事も増えるのにという気持があるのだろう。
頭で理解させようと思っても一苦労。
しかも、頭で理解したところで、そのままできるわけでもない。
喋るというのは、脳の活動でもあるが、顔の筋肉運動でもあるわけだ。
運動能力が伴わなければ、いくら頭の回転が速くても喋りの能力は上がらない。
よく言うではないか、「習うより慣れろ」。
面白い喋りをしようと思えば、同時に筋肉の鍛錬も必要ということだ。
発声練習は、いい声を作るためではない。
喋りに耐えられる筋肉を作るためなのだということを忘れている人が多い。
喋るということは肉体労働なのだということ、コミュニティFMで喋っている皆さんも再確認して精進してもらいたいと思う今日この頃。