フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ラジオなんですけど

TBSラジオ、土曜日午後に「久米宏のラジオなんですけど」がある。
昨日も少し触れたが、毎回なかなか聞きごたえのある番組構成になっている。
そこそこの予算が確保されているということがよくわかる内容である。
金がないなら精神力で何とかしようというラジオ局にはとても維持できない、そんなクオリティが感じられる。
大和魂よりも、やはり金、資金力。
ボランティアで何とかしようと思っても、現実問題としても無理な話なのだ。
昨日のゲストは、アフリカでゴリラの研究を続けてきた京大大学院理学研究科の山極寿一教授だった。
地味な研究だが、ラジオで聞くと実に面白かった。
一番印象的だったのは、ゴリラの距離感。
お互いを理解しあえる空間距離は短くとも1M程度だという。
それ以上に近づくとかえって分からなくなる。
人間も同じで、その人が何を考えているか、何を意思表示しようとしているかが理解できる距離は1M程度が限度らしい。
それ以上近くよっても、表現として理解を得られるのは難しくなる。
親と子、恋人同士というのは、相手の表現したいことはわかっているから、あれだけ顔を近づけられるのだという。
なるほどねえ、と納得してしまった私。
ついでに山極教授は、テレビの世界でやたらアップを見せたりするが、あれは見ているものにかえって誤解を与えると言われていた。
涙をアップにしたり、汗をアップにしたり、表情を少しの間も見逃すまいとカメラを向けているが、あれはその人を理解することよりも、誤解させる方向に働きかねない。
それをテレビ局の人はわかっているのだろうかと疑問を呈されていた。
ある意味、先入観をもって、そのイメージに一番近いものをあら捜ししているのかもしれない。
しかし、ラジオは本当に有意義な情報を流している。
テレビのステレオタイプな知識より、はるかにダイナミックに情報を送ってくれる。
それがラジオの特質なのだと思う。
テレビが真似しようと思ってもマネの出来ないことではないだろうか。