フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

瞬発力

クライアントの方と話していると、今メディアに求められているのは「瞬発力」だというのがわかる。
薬的に言うと「飲んだらすぐに効く」というメディアだ。
100万円投資すれば、次の日には200万円の売上があるというように。
インターネットというメディアは、それでいけば確かに「瞬発力」はありそうだ。
それに比べればラジオ・メディアのプロモーション効果の緩慢なこと。
毎日、同じコマーシャルを繰り返すことによって、1ヶ月後、あるいは3ヵ月後にやっと人が動き出すという感じだろうか。
CDが売れていた頃は、まだ瞬発力はあった。
何しろ、音楽に映像はそれほど重要なファクターではない。
繰り返しラジオで放送されることによって、確実にCDの需要は喚起できた。
もはや、音楽はそれのみでは売れない時代になった。
そりゃ、そうかもしれない。
私の若い頃の音楽の絶対数と、現代の音楽の絶対数との差はあまりにも激しい。
私の時代の音楽が、自分の裁量で選べる音楽だったとするなら、今の音楽は、まるで洪水の中にいるようなものだ。
いいものを選ぶというよりも、今そこに流れてきたものをつかまざるを得ない時代といえそうだ。
この2〜30年の間に、膨大な音楽の集積が生まれた。
音楽業界の行き詰まりは、その膨大な集積と新しく生産される音楽が交通整理されないまま、アナ―キーに流通されているからに他ならない。
それをインターネットが助長している。
今さらラジオに何ができようか。
瞬発力が一番求められているのが、通販である。
何千万の宣伝費が、テレビなどに短時間につぎ込まれている。
もちろん、ラジオでもそこそこの売上が達成されている。
ラジオのショッピングが成功するかどうかは、専ら紹介するパーソナリティの力量次第といわれている。
日々の放送で、リスナーの支持を受けた人気パーソナリティが紹介する商品は、よほどのものでない限り売れると信じられている。
逆に、どこの馬の骨ともわからないものの紹介では、大ハズレのこともありうるのだ。
人気パーソナリティが発する言葉そのものに、瞬発力が含まれているとでもいえばよいだろうか。
私は過去にも触れているが、ラジオショッピングにそれほど好意的ではない。
だが、今のラジオ業界が、ショッピングのコーナー抜きに利益を得ることができるとはとても思えないのも事実だ。
瞬発力を求める、一般クライアントからのニーズは、年を追うごとに減る一方と言われている。
ラジオは変らないといけないのかもしれない。
そのあたり、実は私にはあまりよく読めていないのだ。