フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

放送局がやりたい・3

大都市のラジオ局の制作マンがよく思うこと。
自分の作った番組って、結局聞いている人がいるのだろうかという疑問だ。
メールも来るし、ファックスも多い。
1000通までは来ないが、500〜600通はある。
それでも、これは本当にリスナーがいっぱいいるということになるのだろうか、というのだ。
聴取率1.2、まあ、そんなに悪い数字ではない。
この数字が正しければ、20万人近いリスナーが聞いているということになる。
だが、どうしてもそれを実感できない、結局ラジオのリスナーって、影が薄いんだよねえ。
個人的な感想だが、10年ぐらい前までは、そこまでリスナーの影が薄かったとは思えない。
どこかで集まろうとラジオで呼びかけたら、とんでもないほど人が集まり、後で警察に怒られた話なんてよく聞いた。
まさか、こんなに聞いているとは思わなかったと当時の制作マンは嘆いていた記憶がある。
さて、今の時代のラジオにそんな力はあるだろうか。
大都会のラジオでさえ、こんな状況だ。
コミュニティFMとなると、リスナーの影なんてさらに薄まるだろう。
その薄いリスナーの影に、クライアントが反応するかどうか。
つまり、従来のラジオのイメージでは商売にならなくなりつつあるというのが実感できるのではないだろうか。
コミュニティFMがやりたい方に、こう言っておきたい。


あなたの持つラジオのイメージでは、商売にはなりませんよ。


ラジオをどれだけ実体化できるか、つまりinvisibleな商品をどうvisibleにするかというプロセスを把握されているのかどうかだ。
我々がこれこそラジオだと思って愛してきたエッセンスを残しながら、どうラジオを実体化するかが広域ラジオも含めての課題ではないかと思うからだ。
見えにくいものは売れない。
それが昔とは違うということを、ひとまず今日の結論としておきたい。
「かあさんの歌」にあった「故郷の冬はさみしい せめてラジオ聞かせたい」というフレーズから、当時と今のラジオの存在感の違いがわかるのではないだろうか。