スポンサーのつく番組・５

私がスポンサーを巻き込んで始めた番組のことを一つ例にあげよう。
元々は代理店の媒体担当から、ＦＭで番組やりたがっているクライアントの宣伝担当がいるよと知らされたことから始まる。
ナショナル・クライアントだから宣伝担当は何人もおられたのだが、その中の若手でやり手の人が希望しているとのことだった。
クライアントからは、季節的なスポットをいただいていたりしたので、勿論知らない仲ではない。
食事でもしながらと一席もうけ、代理店営業も加わってざっくばらんにお互いの現状を話し合う。
やはり、これから狙いたい層は、若い人、特に女性だ。（いわゆるF1層）
若い女性だと、夜９時以降に肌の手入れなどをしながらＦＭをＢＧ的に聞いている。
そのあたりに、クライアントのイメージにあった情報番組を流せばそこそこＦ１層はつかめるのではないか。
ちょうど、９時に３０分の空き枠が今度出る。
電波料はこれこれで制作費がこれだけかかるが、予算的にはどうか。
多分、今の予算枠からその額をひねり出すのはきついが、これぐらいなら・・。
じゃあ、半枠セールスとして、もう半枠を別のクライアントに持ってもらうとか、代理店さんでどこかないの？
あの新しく出来たＳＣどう？
バーゲンも大成功だったし、販促委員会も押せ押せだと思うから、臨時の予算枠もとれるかもしれないね。
ダメ元であたりますか。
グロスでこれぐらい集めれれば、私の方で営業部長のＯＫとりますから。
番組ですけど、Ｉディレクターがこんなことを考えているんですよ。
作家のＭさんの番組とか、落語家のＢ師匠の番組を制作しているディレクターなんですけどね。
へ〜、文化人が得意なんだね。
新劇の役者を使って、寸劇を交えた情報番組をやりたいと言っていたんですよ。
ま、二人とも脇役だけどテレビにも出ているし、ラジオ的には面白いかもしれませんね。
後は、リスナーからどうリアクションをとるかだな。
やはり、何らかの購買行動は喚起したいですからね。
それは、私のほうで企画を考えてみます。
面白い番組になるかもしれませんね。
うん、後できたら、そこそこ可愛いゲストも呼んでもらうとか。
アイドル歌手ですか、キャンペーンに時々来るみたいだから、お願いしてみましょう。
仲間の女優さんも呼べますしね。
じゃ、そういうことで、もう一軒行きましょうか。
いつもの××で○○という感じで、それとやっぱり△△。
いいね、それ。
じゃ、決ったところでカンパーイ！がんばりましょー！


ま、こんな感じで番組が決るなんて滅多にありませんけど、あったらとてもラッキーな、思い出の一コマでした。