フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

スポンサーのつく番組・2

かってFM局にはスポンサーがいわゆるキャンセル待ちをしていた時期がありました。
枠が空いたら連絡してほしい、予算は用意しているからというのです。
前にも書きましたが、逆L枠(月〜金の夜ベルト枠と土日の立て枠)の需要が圧倒的だった頃は、スポンサーが降りても後のスポンサーはいくらでもあるという状況でした。
今から考えると、夢みたいな時期です。
しかし、その時FM局が何もせずに、胡座をかいていたわけではありません。
放送枠がすべて売れてしまえば、それ以上売るものがなくなるわけです。
後は、いわゆるカロリーアップをクライアントにお願いする以外、売上が上がらなくなるわけです。
年間の売上が40億あったとしたら、年度始めに今年の売上予算前年比10%アップ(4億円の新規開拓)なんて業務命令が営業に下されたりすると、一体どうやって達成していいのかと悩んだりしたものでした。
ここから、放送局は「限界産業」なのだということを実感したりしたのですが、今やそんな論議はとんと聞かれません。
「限界産業」も何も、枠はだだ空きなのですから。
売る商品もないのに、売上を要求された過去。
商品はあっても、全く魅力的でないか需要がないものばかりが在庫の山をなしている現在。
どちらがいいのか、営業マンならよくわからないことかもしれません。
そういうわけで、FM局のほとんどは、スポンサーをつけるノーハウを獲得できないまま今に至っていることがよくおわかりだと思います。
クライアントが作ってほしいという番組を作っていればよかった過去。
ラジオに対するニーズをほとんど持たないクライアントに、番組をプロモートして買ってもらわないといけない現在。
とにかく需要がいくらでもあった時代に営業経験があっても、よほどのことがない限り現代には通用しないということはコミュニティFMの経営者には知っておいていただきたいと思います。
コミュニティFMに対するクライアント・ニーズの掘り起こし方。
そんなことをノーハウとして持っているものは、放送局経験者にはほとんどいないのではないでしょうか。
まだ、広告代理店経験者、ミニコミスタッフなどの方がよくわかっているのではないかと思うのです。
本当にクライアント・ニーズを知るものは誰か。
能書きよりも、そういう知恵を身体にもつものこそ、今のコミュニティFMが望んでいる人材かもしれません。