フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

現場の会話・2

ディレクターと女性タレントの会話の続き。
「でも、忙しい人って、なかなか話しかけにくいですよね。」
「確かにね、相手にしてくれないということもあるかもしれないな。だけど、本当に忙しい人って、それほど忙しそうにしていないんじゃないかと僕は思うんだ。」
「忙しい人は、忙しそうに見えないということですか。」
「忙しそうにしている人って、ほとんどが忙しい振りをしているだけのような気がするんだ。大して忙しくもないのに、忙しい忙しい、と言ったりして。」
「忙しそうにしているのがステータスという考えなんですかね。」
「それもあるけど、いわゆる組織内での世渡り術でもあるんだよ。忙しそうにしていると、それ以上仕事が来ない、余計な仕事を強要されないという防衛意識なんじゃないかな。」
「新しい仕事が嫌なんですか。」
「いや、やりたい仕事ならウェルカムなんだけど、強制されるのが嫌なんだよ、特に上司とか、力のある人からの指示が鬱陶しいというか。だから、忙しそうにしていたら、上司からの指示は減るだろうと思っているんだよ。」
「でも、私たちのような弱い立場からすると、忙しい忙しいという人にはどう対応したらいいのかと困ってしまいます。」
「その人が、何かのキーマン的なポジションにいたらそうだろうね。というか、こういうタイプの人をキーマンにしたらいけないと思うね。本当に仕事ができる人って、それほど忙しそうにしていないのではないかというのが僕の意見なんだ。構えというのかな、いくら忙しくても、他人が入り込む余地を少しでも空けておこうとするんだと思うよ。例えていうと、新幹線とか飛行機とかさ、一応満席にしてあるけど、実際は何かのために何席かは売らないで空けてあるというじゃない。人間もそうあるべきじゃないだろうか。自分の時間をぎちぎちに埋めてしまえば、非常時に対応できなくなるのではないかと。確かに忙しいけど、緊急の話ならいつでも聞く余裕はあるよというのが大事なのかもね。」
「歯が痛い時に、歯医者に駆け込んで断られたりしたら辛いですものね。」
「そうだね、とにかく応急処置でも何でもいいから、痛いのだけは止めてほしいよね。」
「歯が痛くて死にそうなのに、じゃあ、どこが痛いかとか自分の既往歴とかここに書いてなんて言われて問診表渡されたりするでしょう、あれもひどいですよね。そんなことより早く痛みを何とかしてと思っているのに。」
「忙しいって、本当はサービス業には禁句じゃないだろうか。忙しそうにしていないと格が下に見られるというのも事実かもしれないけど、忙中閑ありという姿勢が見えるのも君子ぽくていいような気がするんだけどね。」
「そんなディレクターの人って、でもあまりいないんじゃないでしょうか。」
「忙しそうにしていたら、売れっ子ディレクターに見えると思い込んでいるからね。また外の人もそう思っている節もあるし。」
「タレントの立場でいたら、たとえ忙しくっても忙しいなんて言いたくないですけどね。それで他の人にその仕事が回ると思うとイヤですからね。仕事があってこそのタレントですから。」
「使うものと、使われるものの差なのかな、面白いね。」