フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

雑談・忌み言葉

昨日の日本語の読み方みたいな話に、皆さんから色んなコメントをいただいた。
最近、日本語について「タモリのジャポニカロゴス」(フジテレビ)などのテレビ番組が取り上げるようになり、視聴者の興味をひいているようだ。
日本語をもう一度問い直そうという動きは私もウェルカム。
あまり品のない言葉が共有されるようにはなってほしくないと思うからだ。
先日「はてな」の質問に、放送業界で挨拶は何故「おはようございます」なのかというのがあった。
その時にも答えておいたが、私が知る限りでは、単純に「こんにちは」「こんばんは」ではゲン(縁起)が悪いかららしい。
興行界では、「こん」という語感が「(客が)来ん」を連想するので嫌われるのだというのだ。
「こんにちは」とは、何というゲンの悪い言葉を使うのだ、「おはようございます」と言え、と叱られるとか何とか。
昔からの言霊信仰の一つということかもしれない。
昨日書いた「四人」も「しにん」と読めば「死人」を連想してしまう。
何というゲンの悪いことを、というわけだ。
そういえば、放送でできれば言わないほうがいいという言葉に「やつ」がある。
「そうです、この前話したやつです。」
「もの」とか「こと」の意味で「やつ」を口語風に使ったりすると、途端にその言葉は使わないほうがいいと言われたものだ。
公式な席では、汚い言葉は場を汚すので使用するなということのようだ。
汚い言葉=忌み言葉といえるかもしれない。
先日、永六輔さんも「最後と言ってはいけません、おしまいと言いなさい。最後というのは死ぬことですから。」という話をされていた。
そういわれると、私も「最後に」はよく使うなあ、自戒しないといけないと思った。
結婚式では「おしまい」ではなく「おひらき」を使うが、なかなか言葉は一筋縄ではいかないものである。
放送業界というのは、本来そういう忌避する言葉がシチュエーションによって色々あるはずである。
皇室を語る時には、どんな言葉でも使っていいわけではないし、絶対にこう表現しないといけないものもある。
災害時の放送にも、言葉には十分注意しないといけない。
どこで、どんな人が精神的に傷つくかもしれないからだ。
考えたら、誰でもが簡単に放送できるというのも善し悪しといえるかもしれない。
コミュニティFMに出る方も、言葉には言霊が存在するかもしれないと思って、不用意に発言することがないように気をつけたほうがいいのではと老婆心ながら忠告する次第だ。