フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

人材

ある音楽事務所の社長と渋谷で飲んだ。
音楽業界で今足らないのは何か。
それは人材だという。
アーチストではない、事務所のスタッフである。
アーチスト志望者は、昔も今も質はそんなに変っていない。
人材は、探せばいるし、第一、そんなにアーチストの数は必要ではない。
だが、スタッフは別だ。
一人のアーチストをスターにするために、優秀なスタッフがどうしても必要なのだ。
10人のスタッフが1人のスターを作るとしたら、今のようなスタッフ志望者の数では足らないのだという。
スタッフで重要なのは、マネージャー。
優秀なマネージャーは、次々にスターを作ることも可能。
だが、凡庸なマネージャーは、業界の悪い部分ばかり学習し、結果的にアーチストを壊してしまう。
音楽業界のマネージャーの地位は、総じて低い。
芸能界が楽しそうと思って入ってくるものは多いが、スターを作り上げる人間的ポテンシャルに欠ける。
馬鹿ではマネージャーは勤まらない、判断力のないマネージャーは業界にアーチストをもみくちゃにされるだけだ。
昔は、音楽業界に人材は集まったのだ。
それぐらい高水準の人材が、業界に自己実現を夢見ていたのである。
今の音楽業界は、スタッフの夢をふくらませるエネルギーを秘めてはいないのですと社長。
CDの売上減とともに、レコード会社の社員も、音楽事務所のスタッフも次々にリストラされていく。
昨日、ある大手レコード会社の方から電話があった。
私、一応今週で退社します、お世話になりました。
多くのスターを世に出した優秀な宣伝マンだった。
今も、そのセンスは鋭い。
だが、もはや自分の居場所はないのだとか。
しばらく、休みます、音楽の仕事はもういいです。
そういえば放送業界も、ふと気づくと人材が育っていない。
人材を育てるのに必要なのは、一言でいってエネルギー。
ポテンシャルと言い換えてもいい。
業界に力がなければ、人材は育たない。
だとすると、コミュニティFMに人材が育たないのは当たり前といえば当たり前かもしれない。
人材が育たなければ、業界の発展はない。
さて、コミュニティFMに発展を期待することは無理なのだろうか。