フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

代理店・4

昨日の記述を読んで、放送局の営業がまるで代理店の下請け化しているように思われた方もおられるかもしれない。
正確には少し違う。
私は、放送局の営業はブランドを売り歩いていると思っている。
代理店は放送局のコンテンツを売ることはできても、ブランドまで売る権限はない。
局のブランドが必要なら、営業にお願いして使わせてもらうしかない。
放送局の強みは「ブランド」なのである。
よく、地方へ行くと放送局の社員は名士と言われる。
放送局のアナウンサーは、文化人として処遇されるのだということも聞いたりする。
社員、とりわけアナウンサーには放送局というブランドがつきまとい、常にその存在を輝かせているのだという。
つまり、クライアントは放送局というブランドを買っているのである。
放送局の仕事は、自分達のブランド価値を常に高い位置で保ち、傷つけることがないように細心の注意をすることといえるかもしれない。
放送局を作れば、すぐに儲かるという神話もこれと関係がありそうだ。
コミュニティFMを作ろうと言う人たちは、結局放送局というブランドを手に入れたい人たちと言えるような気がする。
そういう風にイメージづけされているのだ。
だが、実際にコミュニティFMを立ち上げると、このブランド作りが必ずしもうまく行かないことにすぐ気づく。
FM〇〇、××FM、ファッションセンスのありそうな名前を冠したところで、市場価値は全く生まれない。
おかしいなと思った時にはもう遅い。
少しでもリスナーから支持されるようになれば、コミュニティFMであってもそのブランド価値を評価する人も出てくるかもしれない。
一部のコミュニティFMには、多少とはいえ自分達のブランド価値創出に成功された局もある。
だが、その道のりは楽でなかったろう。
放送を始めればブランドが生まれるわけではない。
自分達が地域住民に支持されて初めてブランド価値が生まれるのだ。
県域放送のようには行かないということを強く認識しておいてほしい。