フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

雑談・OLターゲット番組

今日は、ちょっと面白い話を紹介する。
あるFM局でOLをターゲットにした番組を企画した。
時間帯は、何と昼の1時から4時である。
昼の12時から1時なら昼休み時だからOLも聞けるかもしれないが、1時から4時ならターゲット設定は無理ではないかという話になった。
ある企業の宣伝部に企画を説明した時、責任者の方はいい顔をされなかった。
OLはその時間は仕事をしている、そんな時間にラジオを聞いているOLなんてろくなOLじゃない。
確かにと企画担当者。
普通のOLのイメージだと、その時間は仕事をしている。
ラジオなんて聞きたくても聞ける状態ではないというのが常識だろう。
だが、と彼は資料をカバンの中から出す。
「これは、その時間帯に送られてきているファックスです。主婦層も多いですが、ダントツに多いのはOLからなんです。多分、OLと言っても集団で働いているという職場じゃないのかもしれません。小さな事務所で電話番が主な仕事という人も多いし、一日待機しているだけというOLもいるのです。確かに御社のような管理の行き届いた職場でのOLはラジオなんか聞きません。いや、聞けないと思います。しかし、職場には毎日ラジオが流れ、それを聞きながら仕事をしているOLも多いのです。そんなOLは要らないと言われるかもしれませんが、私の経験では、昼の時間にOLを狙うのはありだと思うのです。」
常識的に言って、一流の企業が就業時間にラジオを聞くことを許可したり、ファックスを放送局に送ることを良しとするはずはない。
そんなOLは不良のOLだといいたくなる気持ちもよくわかる。
しかし、好ましくない就業形態であっても、そこにいる人はまぎれもないOLであり、購買行動もOLのそれである。
頭からターゲットから外すなどというのは、さほど賢明ではないという気が私もする。
これが、学校の生徒をターゲットにした番組を平日の昼間に企画するとなると道義的な問題も生まれようが、OLなら何の問題もないはず。
常識にとらわれていたのでは、画期的な番組は作れない。
リスナーが興味をもってくれる番組はある意味従来の固定観念にとらわれない番組といえるかもしれない。
私は、とにかく他人があまり作ろうと思わない、あるいは作りたくても簡単には作れない番組をいつもめざしていた。
コミュニティFMにもぜひそんな番組がほしい。
ありきたりの番組につきあってくれるリスナーがどれだけいるのか。
多分、そんな奇特な御仁はなかなかおられないと思うのだが。