フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

リスナーのつかみ方・2

失礼な言い方になるかもしれないが、リスナーをつかむ方法というのは魚釣りと良く似ていると私は思う。
漫然と竿を出しているだけでは、なかなか魚はかかってくれない。
それと同じで、何の目的意識もなく気分のままに放送しているだけではリスナーはつかめない。
まず、この場所には魚がいるのか、いないのか。
いるとしたらどんな種類の魚であり、その魚を釣るにはどんな仕掛けが必要か、餌は何か、どういう性質があるかなど、色々と考えないといけない。
釣りの名人というのは、場所を見ればどんな魚がいて、どんな風に餌をとっているかまで一瞬にして見通すという。
番組のディレクターも、できればそれに近いぐらいの技を早く会得してほしいものである。
リスナーのつかみ方というのは、多分言葉で説明するのは厄介なものかもしれない。
その時その時の状況が変われば、やることも言うことも違ってくる。
しかし、普通の人にはその状況が見えないから、説明が毎回違うではないかといわれかねない。
名人というのは、結果がすべてである。
理屈など、名人には何の役にも立たないと私は思う。
コミュニティFMでのリスナーのつかみ方と言っても、そこに潜在的リスナーがどれだけいるのかがまずわからない。
まずやるべきことは、潜在的リスナーの有無の確認だろう。
やみくもに竿を出すなど、名人のやることではない。
仮に潜在的リスナーがいるとわかれば、何をどう放送すれば彼らに「番組を聞くと言う生活習慣」が生まれるのかをリサーチしないといけない。
そう、ラジオのリスナーをつかむということは、リスナーの生活習慣を把握し、ラジオ局の都合に合わせてそれを変容させるということなのだ。
どんな潜在的なリスナーがいるのかもわからず、自分の都合のよいリスナーだけを頭に描いて放送したところで、結局は誰も聞かないという結果になりかねない。
素人はボウズでトボトボ帰り、名人はクーラーに魚を一杯にして帰る。
放送でもその差は本来歴然としているはずなのだが、残念なことにどこにでも名人がいるというわけではないのがコミュニティFMである。
自分の素人さを実感できない環境にいても、人は進歩しない。
マチュアは所詮アマチュア、プロとは違うのだと私が何度も繰り返す理由の一つでもある。