フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

演劇仲間

ある演劇関係者からお誘いを受け、池袋の東京芸術劇場小ホールで久しぶりに小劇場の芝居を見てきた。
10年ぐらい前は、演劇のプロデューサーとして毎日が芝居づけだった私だったが、最近はとんとごぶさた。
誘ってくれた人と会うのも、ほぼ10年ぶりだった。
元々はタレントのプロダクションをされていたのだが、最近はプロダクションを演劇集団化し、年4回程度新作による舞台公演をプロデュースしているのだとか。
とにかく、演劇をやりたいという若い子達が次々にやって来るんだ。
その子達に機会を与えてあげるのが自分の使命だと思ってやっている。
とはいえ、正直一杯一杯、作品の質に色々と批判はいただくのだが、今のところこれ以上は無理と言うのが現状だね。
実際、今日見た舞台は、戦後の焼け跡に住む人々の虚脱感を良く描いていると言うものの、全体の構成はちぐはぐで、観客にストレスを与えかねない進行だった。
私ならこうするのに、あの間を違う形で埋めるのにと、久しぶりに演劇プロデューサーの視点で舞台を見つめていたため、ちょっと疲れてしまった。
もう少し、軽い気持ちで見られる部分も用意しておいてほしいなと思った次第である。
とはいえ、かっての仲間が今も小劇場を主催し、活動を続けておられるのは嬉しいことだ。
今後の活躍をぜひ期待したいと思う。
ところで、2005-09-13のこの欄で、私は次のように書いた。


コミュニティFMは小劇場みたいなものだ。
小劇場は面白い。
どれだけ辛くとも、お金を持ち出しても、小劇場は続けたい。
歌舞伎のように、タニマチがいるわけでもない小劇場。
自分の力で金をかせぎ、それを小劇場につぎ込む。
かくて、劇場文化は育つ。
その文化は、とても貴重な私たちの財産でもある。


利益を追求するだけでは、コミュニティFMの文化は育たないとも書いている。
今日、舞台に立っていた役者は約30人。
8公演あって、毎回100人以上の動員はあるという。
各人がチケットを売りさばくのは大変だろうと思うが、彼らにはそれでも自分の芝居を見てほしいという熱意がある。
それはある意味、舞台人としてのボランティア的行為なのかもしれない。
でも、その中から、彼らの才能が開花するのは確かだろう。
舞台人の夢、それはいつか自分が主役になり、大向こうからの喝采を浴びること。
それを夢見て、今日も彼らは地道な努力を続けている。
コミュニティFMに夢を見る人たちが開花するのはいつの日だろうか。