フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

惨めさの裏返し

コミュニティFMの制作担当者の悩みの一つに、番組のリスナーをなかなかつかめないということがある。
毎回毎回、努力して番組を作っているのに、反応が思ったほど返ってこない。
それはコミュニティFMなら仕方がないのかもしれない。
自分がどれだけ頑張っても、所詮コミュニティFMの出力では無理なのだという諦めも生まれてくるようだ。
メールやファックスを送ってくれる人はいつも同じ。
そうなると、内容も読む前に大体わかったりするようになる。
もっと色んな人に聞いてもらい、色んな反応が返ってきてほしいと思う。
そうすれば、番組の中味ももっとバラエティ豊かになる、生き生きしたものになるはず。
だが、いつもメンバーが同じでは、話題がぐるぐる回るだけになるような気がする。
言うならば、家の中の会話みたいなラジオになる。
たまに外の人がそのラジオを聞いても、「あ、これは俺と関係ない」という印象を持って二度と戻ってこない結果に。
リスナーが増えなければ、正のスパイラルは生まれない。
コミュニティFMが限界があるのは、多分そういう構造になりがちなところにあるのではないだろうか。


以上は、別に私の意見というわけではない。
コミュニティFM関係者の話の中に流れる考えを私なりにまとめただけである。
リスナーがつかめないというのは、コミュニティFMだけの問題ではない。
広域のラジオ局だって、等しく持つ悩みである。
番組から10人の方にプレゼントと告知しても、5〜6人しか応募がないということもあるのだ。
電波が遠くまで届いても、反応なんかまるでないラジオも多い。
ある衛星ラジオを担当していた人が、いったいリスナーは何を望んでいるのかまるでわからないと嘆いていたこともあった。
自分の番組を聞いているのは、どんなリスナーなのか。
そのリスナーは今後増えていく可能性はあるのか、口コミで仲間を増やしたりしてくれるだろうか。
とにかくリスナー像がつかめなければ、番組の制作を続けるのは苦痛になるはずだ。
毎朝、駅前で演説に立つ政治家とそれはよく似ている。
誰もこちらを見ない、反応がまるでない、それでも続けることが今は大事なのだと言う方もおられた。
とにかく続けるのです、結果は途中では見えないかもしれないが、いつか確実に出てくるのです。
それを信じられなければ、こんな辛いことはできませんよ。
その言葉は意外と重い。
成功とは、そういった惨めさや寂しさの裏返しなのだとその人は言っていたのかもしれない。