フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ワンセグテレビ考

今週号の週刊朝日に「新聞とテレビがなくなる日」というタイトルで電通総研前社長藤原 治氏と田原総一朗氏の対談が載っている。
藤原さんは201X年に新聞もテレビもなくなり、すべてのコンテンツはe-platformに融合していくという予測を立てておられる。
2011年のアナログ放送終了がひとつの画期となり、その何年か後にすべてのコンテンツの出口としてテレビも含むe-platformへの統合が進むだろうというのだ。
藤原氏は、元電通マンで新聞業界に明るい方である。
今回の話は「ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる」(2007/2月 朝日新聞社刊)という本に書かれている内容と同じで、同書は私も興味深く読ませていただいた。
その中で、ワンセグテレビに対し感想を書かれていた。
ひとことで言うと、画面が小さいゆえにショート・ユースにしか使えないのではないかと。
これは私も同感だった。
画面が小さいゆえに、字幕がほとんど読めない。
テレビというのは、ボーと見るものであり、何が書いてあるかそばまで寄って必死で情報を追うメディアではないはずだ。
テレビはアテンション・メディアではない。
そこまでして携帯でテレビを見たいとは思わないというのが私の感想だ。
藤原氏は、新聞の購読者が減るのは購読をやめることによって出費が減るというインセンティブが働くからだと指摘している。
ネットで見れるようになれば、誰が金を出して新聞を購入しようと思うだろうかと言う。
それに比べてテレビは「テレビの視聴をやめる」という気にはならない。
なぜなら、テレビの視聴をやめても出費はほとんと減らない。
つけっぱなしても電気代が少し増えるだけで、新聞のような劇的な効果はない。
それゆえ、やめるインセンティブが働かず、テレビは新聞のように衰退していないと分析されている。
で、ワンセグテレビだが、これはテレビのもつ気楽さに欠けていると思われるのだ。
携帯でテレビをつけっぱなすということに抵抗を感じないだろうか。
何かをしながら、時々画面を見るという「ながら視聴」に向いているだろうか。
最初にも書いたが、携帯はショート・ユースに向いても、ロング・ユースには向かない、つまりつけっぱなすという行為には向かないというと思うわけだ。
ワンセグテレビがテレビの持つメリットをすべて持たないなら、他にどんな固有のメリットがあるのだろうか。
藤原氏は、それに対して懐疑的なコメントを書かれていた。
私もまた、目の前の携帯ワンセグを見ながら、何かイマイチ気分が乗らないなあと思っている一人である。