フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

金にならないリスナー

昨日、金にならないリスナーを1万人持つよりも、金になるリスナー100人を持つほうが商売としては成立するみたいな話をしました。
それに関して、先日放送を休止されたFMじょんぱの方の産経新聞の記事が興味深かったので少し引用してみます。


問題はコミュニティーFMは何で稼ぐのか、ということだ。小野寺さんは、ラジオ広告の難しさを痛感したという。
「ラジオにお金を出そうという人が少ない上、放送エリアの仙台市宮城野区限定で大広告主が見つからなかった。さらに言えば、聴取率が高いことが広告に結びつくわけではなかった」。小野寺さんは振り返る。
コミュニティーFMで広告効果を期待してCMを出してくれる人がいない…、おつきあいで広告を出してもらうことに…、スタッフは若く、おつきあいの広告を集める人脈がない…。小野寺さんは自分が入り込んだ世界をそう表現する。
小野寺さんがたどり着いたじょんぱの生き残り策は「広告代理店がするような仕事を請け負うこと」だった。
放送とは直接関係のないイベント制作を請け負い、看板を作り、音響を担当し、チラシを作ってきた。そして場合によっては放送する。「商社が企画した大きなイベントにもぐり込んで仕事を取ったものでした」
こうした現実は、時として社内の人間関係を悪化させた。
「制作は営業に、もっと広告取ってこい、と言い出すし、営業にとって制作は、金を使いすぎるだけの存在」。機材更新など新たな借り入れが必要になると、役員の中で誰かが個人保証をすることに。「常に金が関係を悪化させた」
自治体からの広告収入の割合はじょんぱでも大きかったが「自治体も財政難。突然の予算削減もありえるだけに、自治体だけに頼るスタイルには限界がある」という。
私がこのブログでずっと書きつづけてきたことを、そのまま実体験されたのだなと感慨深く読ませてもらいました。
残念なのは、そういうことは開局する前に学習しておいてほしかったということです。
聴取率が高いことが広告に結びつくわけではない」ということは、冒頭に書いたことでもわかるはずです。
言うならば、聴取率よりも、聴取質の方がラジオでは重要ということです。
放送で稼ぐのではなく、商売のアウトプットとして放送を使う、そういう位置付けで付帯事業を行うということもコミュニティFMとしておさえておくべきことでした。
窮余の策というか、後付けで広告代理店がするような仕事を請負っていたのでは、現場の理解を得られないのは当然かもしれません。
私はコミュニティFMを経営するものが知っておいてほしいことをずっと書きつづけてきました。
こうすれば失敗するということを、繰り返し書いてきました。
だが、私のメッセージはなかなか現場の人に届かないことを、こういった事例を見るたびに痛感します。
FMじょんぱに関しては、「ネーミングライツ」というタイトルで昨年取り上げているので興味のある方は見ておいてください。
なお、引用した産経新聞の記事の全文はこちらをどうぞ。