フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

営業の話・9

営業マンは「金のにおい」に敏感でならねばならないと痛感しているのですが、今日はそのあたりを具体的に書いてみたいと思います。
私の知人に、ものの見事にそれを実践している放送局の営業マンがいます。
とにかく商売になりそうだなと思ったら、今やっていることを放り出してもそこへかけつけます。
必要な人材、必要な経費もあっという間にそろえ、クライアントを一日中接待することも厭いません。
もちろん、努力が空振りして一円にもならなかったこともあるようですが、おおむね利益は稼ぎ出しています。
ただし、金のにおいがしない話には、全くとりあいません。
相手が恩義のある人であろうと、有力者であろうと、元上司であろうと、金にならない相手にビジネスの時間は割かない主義のようです。
それはそれ、これはこれ、なのだそうです。
「金のにおい」がするから、体が自然に動く、獲物を捕えようとする動物的行動と考えてもいいかもしれません。
においのない方向へ行っても、獲物があるはずはない。
営業マンは獲物を捕えることが仕事、順番を待って施しを受けにいくのが仕事じゃないと彼。
身もふたもない言い方ですが、営業マンというのはどこか非情なところがなければいけないのも確かなようです。
いい人だけでは、金をかせぐことはできません。
他の人と同じでいいなら、わざわざ営業マンなどと名乗る必要もないでしょう。
私はこの知人を100%信用しているわけではありませんし、何て冷たい人だと思ったことも数限りないのは事実です。
しかし、仕事の世界では、彼は有能だといわざるをえません。
いい番組も、出演者の気持ちも、リスナーの気持ちも本質的な部分では理解していないと私は思っています。
だが、彼に望まれているのは、他の人がどれだけ頑張っても売れない番組や、スポットやイベントを捌いてくることなのです。
コミュニティFMがそのままでは商品にならない、売れないというのなら、彼は違う方法論を探してきて、売れる部分だけさっさと売って来るでしょう。
ただし、現場からはとんでもない文句が返ってくるはずです。
そんなものは、コミュニティFMではないと。
有能な営業マンにとって、売れない局の一番の問題点は「現場のこだわり」にあるのだそうです。
「〜は何とかでないといけない」という、岩盤のような思想だといいます。
そんなものがある間は、誰も買わない、商売とは一度カオスに戻して、商品化しなおすことから始めるのだと彼なら言うでしょう。
売れないものは、一度カオスに戻して、売れるものに変える作業が必要なのだ、そのプロセスを嫌うものに商売を説いても無駄である、とかなんとか。
営業とは、ある意味、理不尽な作業であるということは確かかもしれませんが。