フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

営業の話・8

2004-07-14の「電話リクエスト」の項で、次のような書き込みをしています。


都市型コミュニティFMにしばらく出向されていた方と話をした。
一番面白かったのは電話リクエストの話。
何か夏休みの面白い企画をということで、親会社で評判だった電話リクエストをやってみようということになった。
電話や、オペレーターを用意して、いよいよ電リク、スタート。
だが、5台用意した電話はうんともすんとも言わない。
自分がいた局では、次から次へと電話は鳴りやまなかったのに、何だこの状態は。
放送の権威とスタッフから尊敬の目で見られていたのに、これでは面目なさすぎる。
自分を見つめるスタッフや関係者の目。
どういうことです?どうして電話は鳴らないのです?
焦った、本当にどうしていいのかわからなかった。
その人は言った。
私が考え違いをしていたのです。
ラジオは放送を始めれば、みんな当然のように聞いていくれると思い込んでいました。
コミュニティFMは、県域FMよりも緻密に宣伝をしていかないと、ユーザーにリーチしなかったのです。
彼は、私の後輩で、有能なディレクターの1人でした。
イデアとか、番組を制作するには申し分のない裁量を持っていましたが、営業的なセンスは経験がなかったという面もあり、欠点が目立っていたように思います。
上から物事を判断しすぎる、とでも言うのでしょうか。
営業は、地べたをはいまわって情報を集めるのが仕事です。
金のにおいに敏感であることが、営業マンのセンスと言う人もいます。
金のにおいは、はいまわることでしかかぎ分けられない、野性的な言い方をするとそうなります。
「ラジオは、放送を始めれば当然のように聞いてくれる」という考え方は、上からの判断です。
もっと町の中を歩き、人々と交じり、クライアントになってもらえそうな人と話をしていれば、そんな発想はしなかったのではと私は思います。
言い換えれば、コミュニティFMの電話リクエストに金のにおいを感じられるかが重要だったのです。
自分の作っているもの、それが商売になるかどうか、つまり金に換わるかどうかです。
広域局で番組制作していると、どんな番組が金のにおいがするかに鈍感になります。
面白い番組を作ればいい、リスナーに喜ばれるような番組を作ればいい。
もちろん、ディレクターで居る時はそれで十分合格です。
だが、営業の部分においては、それだけでは足りない、できればもっと金のにおいのする番組を作ってほしいと思ったりするのです。
金のにおいのする番組は、広告代理店がほっておきません。
そのにおいを知るクライアントは、面白そうだからちょっと付き合おうかということになります。
要は、金のにおいがあるかないかです。
ぴんと来られない方も多いと思いますので、明日はもう少し具体的な話をしてみます。