フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

聴取率・4

視聴率を上げる方法として一番ノーマルなのは、いわゆる数字を持っているタレント起用すること。
スマップ、明石家さんま島田紳助、女性では仲間由紀江、松嶋奈々子などがあげられる。
出演さえ決まれば、ある程度の数字は見えるのがこのクラスのタレント。
後は良い台本、優秀なスタッフがあれば、高視聴率をとることも可能になる。
舞台ではどうだろうか。
私は一時期舞台のプロデューサーも担当していて、観客動員には何度も苦労したので何となくわかる。
やはり、観客を持った役者さんがいるのだ。
それはテレビの人気のタレントさんとは必ずしもリンクしない。
視聴率はあまり期待できない人が、意外と観客の動員力を持っていたりするのだ。
同じ芸能界なのだが、構造的に違うというのが私の率直な感想である。
もっとも観客動員力を持っているのが、宝塚のOG。
一般の方があまり名前を覚えておられない方でも、信じられないほどの動員力を発揮されたりする。
宝塚ファンの分厚さを強く感じた次第である。
ミュージカルの世界では、苦しい時の宝塚だのみなんて言葉があるとか、ないとか。
私もたくさんの方々にお世話になりました。
本当に感謝しております。
さて、聴取率である。
昨日も書いたが、数字を持ったタレントさんといわれてもピンと来られないだろう。
数字を持っているといっても、3%そこそこ。
テレビの世界ではゴミみたいな数字である。
うちは、何と3%もの高聴取率かせいでますなどという言葉が通用するのがラジオなのである。
言い換えれば、ラジオは数パーセントの客をつかむだけで成立する事業ということになる。
作り手側の皆さん。
皆さんは、10%の客をつかまえようとしていないだろうか。
10%の客をつかまえようとして、そのほとんどの客を逃している結果に終わってはいないだろうか。
それなら、最初からコアな部分にターゲットを絞った方が、まだ数字が低くても効率的ではないか。
宝塚OGを採用すれば、興行的には楽になるのが演劇の世界。
ほとんどの人が知らない役者でも、何千人という客を持っていたりするのである。
多数を狙うな、少数を狙え。
オタク向けの番組が意外と評判を呼ぶのも同じような現象である。
コミュニティFMは最大公約数を狙いすぎてはいないか。
そのために無駄な金を使いすぎてはいないか。
聴取率は高ければいいと考えるのは時代遅れかもしれない。
問題はターゲットにリーチするかしないかだけ。
ターゲットが多数派であればあるほど、ハードルは高い。
コミュニティFMは無理してそんな高いハードルを跳ぶより、少数派に徹した低いハードルに挑戦したほうがいいのではと思う次第である。
意のあるところをわかっていただければ幸いだが。