フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

聴取率・2

ラジオの聴取率調査には私は昔から懐疑的だった。
私が担当していた番組がまあまあ人気番組で、年に2回行われる調査で5%という数字が出たことがある。
全体で5%で、若い層の数字になると10%を超えていたりする。
若い人の10人に1人が聞いていたということになる。
会社的には万々歳なのだが、作り手側としたら「まさか」である。
そんなに聞かれているという実感はない。
多分、街でちょっと耳にしたとか、友人とそれらしい話をしたことがあるとかで、適当に丸をつけたのではないかと思ったりした。
あるいは、普段はその時間ラジオを聞いているという理由で、たまたま調査期間は聞かなかったとしても、ついでにチェックしておこう、なんて人もいたのではないだろうか。
何しろ、日記式である。
その人が本当に聞いていたかどうかなど、わかるわけがない。
そういえば、テレビの視聴率で、「猫が見ているだけでもカウントする」という揶揄がされたが、ラジオなんかもっとひどいものだと私は思っていた。
友人が、あるリサーチ会社に勤めていたので、そのあたりを相談したことがある。
彼は、統計的に考えても±2%ぐらいの誤差が出る調査だから、まともに考えないほうがいいよとアドバイスをくれた。
聴取率が2〜3%で推移するのがラジオである。
誤差が2%もあったら、信用しろというのが無理だ。
全体的な傾向として、この番組はまあ聞かれている、この番組はあまり聞かれていない、ぐらいの気持で受けとめたらいいと彼。
細かい数字で、結果を云々するのは自己満足にすぎないとも言っていた。
まあ、そんなものかもしれないなと私も思った次第。
私が営業を担当していた頃、営業部長によく言われた。
聴取率調査というのは、自分達に都合のいい数字を出すために高い金を出してやるものだ。営業に使えない数字が出るような調査なんか何の役にも立たないからやめたほうがましだ。営業はそれぐらいの気持でいればいいのだ。わかったか。」と。
ラジオで聴取率がどうのこうのと言っているのは、結局それを言えば得をする局ばかり。
確かに営業に役立たない数字なんか、ない方がいいのはそのとおりだろう。
ということで、何度も言うようだが、聴取率マーケティング的な意味をあまり持たせない方が賢明である。
802がFMOより聞かれているのは確かだと思うが、数字ほど差はついていないと昨日言ったのはそう言う意味。
J-WAVEとTFMの差も、あるといえばあるし、ないといえばないというのが結論ではないだろうか。
調査をやるなら、統計的に有意な数字が出るような条件でやるべき。
デイリーの数字が出ないのなら、もう聴取率調査なんかやめてしまえばいいと暴論かもしれないがそう思う。