フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

若者世代の憂鬱・2

今の若者は報われない。
たまたま団塊の世代がいたために。
そんな考え方は本当に正しいのだろうか。
団塊の世代も、若い頃、上の世代に抑圧され、役職につくまで苦労した人も多いはず。
リストラの前に、窓際族という言葉があった。
いつの時代にも、組織に必要でなく、年功序列によって過ぎた報酬を受けているものを排斥する動きはあったのかもしれない。
では、今の時代の若者が、それまで以上に報われないというのは何を根拠に言っているのだろうか。
我慢し、上の指示に従って作業をこなしても、その先には昔ほどの処遇は待っていないということ。
ある程度の時間が経過すれば、自分の権限も増え、今まで指示されていた立場から指示する立場に変わる。
同時に給与が上がる。
会議費や接待費を自由に使うことができるようになる。
そんな夢のような未来は、待っていそうにもないことに気づくこと。
昔は、そんなことはなかった。
団塊の世代は、年とともに給料も上がり、能力もないのに管理職(部下はいなくても)になれた。
若者は報われない。
なのに前にいるオヤジどもは、優遇され、ぶくぶく太っている。


本当にそうなのか、実のところ私にはよくわからない。
団塊の世代は幸せだったと、私は言い切る自信はない。
ただ、彼らが、今後年金の原資を食いつぶす可能性があることは認める。
年金制度が、生まれた年によって、きわめて不平等なものになる可能性があることは認める。
若者は、常に年寄りをリスペクトし、そのために多少の犠牲を負わされるのは当然という伝統的な考え方を押し付けるつもりもない。
正直、今は誰が正しくて、誰が間違っているかなど軽々に言えないような気がする。
見る角度を変えることによって、正しく見えたり誤って見えたりすること、伝統的な制度にはそういう側面が色濃くあることは否定できない。
損とか得とかということは、長いスパンで見ないと何とも言えないと私は思う。
今生は良くても、そんなことしていたら来世は地獄だよと言いたくなる人もいるが、来世とか地獄なんて言葉を持ち出したら馬鹿にされるだけかもしれない。
ボランティアといって、ただ利用されているだけの若者。
低賃金で、夜間に働かされ、精神的に不安定になっている若者。
それでも、昔の女工哀史的な若者たちと比べたら数段ましだというオヤジどももいそうである。
団塊の世代がいる限り、俺達は損だという考え方が若者たちの中にある。
長い目で見れば、そう断定することもできないと私が言えば、反論される方も多いだろう。
そうとも、それが世の中だと言えば、とりあえず話は終わってしまう。
怒りと怨念のよどんだ空気を増幅させながら。