フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ラジオの力〜コミュニティFM放送局の可能性・3

木村太郎さんの話を簡単にまとめる。
クリントンが大統領選挙の時にとった方法として、ラジオスポットを55のターゲット向けに作り放送したという。
放送局を55のカテゴリーに分けたのか、単純に55パターンのスポットを流したかは明確ではなかった。
推測するに、多分前者だろう。
ターゲットのカテゴリーとして、例えば白人で高所得家庭とか、ヒスパニックで貧しいとか、アジア系低所得層というのがあったのだろう。
アメリカ人は、その延長上で55のパターンに分類できると仮定して宣伝戦略を練ったのだという。
つまりラジオ局そのものが、55のカテゴリーに分けられ、その局にあったスポットCMを流したというのが木村さんが言われたことのようだ。
これは成功したと考えられている。
事後検証も行われ、その戦略が肯定されたことと、それにかかる費用も大したことがなかったという話だった。
で、木村さんは、この方法論を日本でもできないかと考え、2000年の総選挙で提案したのだという。
民主党が話にのってきたので、コミュニティFMを9つのパターンに分け、それぞれで違うスポットCMを流したらしい。
結果は、民主党がそこそこ躍進し、コミュニティFMを使った選挙戦略は一定の成果を得たみたいな話だったと思う。
この場合の9つのパターンというのは、例えば文京地区高所得層が多いコミュニティFM第一次産業労働者の割合が高いコミュニティFM、などと言ったものだったようだ。
果たして、日本のコミュニティFMがそういったカテゴリー分けができるのかどうか疑問はあるが、木村さんは肯定的に語っていたのが印象的だった。
コミュニティFMをいくつかの群に分け,それぞれに別の戦略を提起するのは確かに意味のあることだと思った。
選挙で実際に有効かどうかは、私自身少し疑問なのだが、仮説を立ててやってみる価値はあるかもしれない。
ただし、この話、少し内容は違っていたが、別な意味でJCBA関係者から聞かされていたことだった。
そこそこの宣伝費を貰い、コミュニティFM全体に分配したが、その分配の仕方でゴタゴタした。
また、スポットを流したのなら、放送したという報告書が提出されるのが普通なのに、それが出てこないコミュニティFMもあったという。
効果があるのかのどうかよりも、コミュニティFM全体としての受け皿が用意されていないことの方がよほど問題だとその人は言っていた記憶がある。
木村さん、少し高尚すぎたのかもしれない。
9つのパターンを検証する前に、コミュニティFMがビジネスパートナーとして信頼できるかどうかの検証が必要ではないだろうか。
とはいえ、個人的には木村さんの今回のご指摘、大変面白いと思った。
少し勉強してみないといけない。