フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

「巻き返しなるか、デジタルラジオ」って?

今日の東京新聞に、わざわざデジタルラジオの記事がどーんと出ている。
「巻き返しなるかデジタルラジオ」と題され、本放送の延期、マルチプレックス発起人会の解散などに触れながら、TFM、TBSの担当者の方のコメントに巻き返しの意図を感じるという内容になっている。
記事にもあるように、TFMの方はしきりに「既定路線、作業は進んでいる」と繰り返しているのだが、何か無理やりというか、トップの意志に合わせただけではと見えてしまうのは私だけだろうか。
TBSの方の「受信機が出回れば、さらにスポンサーに説明がしやすくなる」という発言はさらに何だかなあである。
スポンサーに何を説明するつもりなのだろう。
こういう放送をすると、これだけのリスナーが聞く(見る?)とスポンサーを説得するつもりかもしれないが、そのリスナーが支持してくれるようなコンテンツってどこにあるのだろう。
ユーザーがいなければ、スポンサーからの出稿は続かないことは、BSデジタルであれほど経験したはずではないか。
こういった失敗の教訓は社内で引き継がれないのかもしれない。
CS-PCM放送でもTBSは大赤字を出したはずなのに、そんな歴史は葬り去られたのだろうか。(PCMジパング
今のアナログ放送をやめてでも、デジタルに移行するのだという強い意志は現場からは全く感じられない。
そんな意志のないところに、国民の共有財産である貴重な電波を割当ること自体がおかしいと思わないのだろうか。
記事の最後でこう結ばれている。


デジタルラジオの事情に詳しい三菱総合研究所の中村秀治さんは現状について、「本放送免許が下りそうにない状況なので、実用化試験を既成事実化しようという意図に見える」と冷ややかに見る。さらに「ワンセグより“周回遅れ”。高度化したモデルでもない限り、スポンサーの理解にはつながらないと思う」と手厳しい。
高度化したモデルは今はもちろん存在しないことはわかっていて、皮肉を述べられているのだと思うが、ワンセグ放送だって十分デジタルの世界では周回遅れだと思うのだが。
五里霧中、放送業界にとってのデジタルの世界は、依然そんなところというのが実感である。