フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

電波争奪戦

デジタルラジオだ、何だかんだと言っても、早い話電波の争奪戦にすぎない。
電波は国民の共有財産といいながら、結局、時の権力と癒着しているものが有利な扱いを受ける。
大体、デジタルラジオの電波割り当てだって、既存のラジオ局が自分たちの権益を保存しながら、あわよくば新たに利権を獲得できるかどうかで必死になっているとしか言いようがないのだ。
確かに同情すべき点はある。
民放ラジオというビジネスモデルが、インターネットの出現によって土台が揺さぶられているのだから、未来への危機感はよくわかるからだ。
ラジオはこのままでは衰退する、新たな利権を押さえておかないと会社が持たない。
この危機感は、事業体の大きさによって比例する。
東京のラジオ単営局が一番危機意識をもっていて、次に大阪や名古屋などの地方基幹局、ローカル局、コミFの順で危機意識は減っていく。
年間100億の売上げを持つ局と1億しかない局が同じ意識になれるはずがない。
今のところ、デジタルラジオにおける電波争奪は東京と一部地域に限定されている。
しばらく様子見という、ほとんどの局の意識はよくわかる。
これ以上業績が落ちることもないだろう、というアナログ局の希望的観測も理解できる。
要はデジタルラジオが右往左往しながら停滞している間に、全く考えもしなかったオルタナティブに漁夫の利をとられないかということだ。
アナログが残るのだから、別にいいではないかという発想をあちこちで耳にする。
できればデジタルラジオなんかに金を出したくないのだという役員の方もおられた。
今しかわからない、未来のことは関知しない、とでもいうように。
しかし、これが電波争奪戦のひとつだとしたら、そんな暢気に構えているのは放送局の人間だけだと警告だけはしておきたい。
江戸末期の殿さまですか、あなたたちは。
デジタルラジオの話はしばらく続けたいので、この続きはまた明日。