フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

メインはリスナー

今日、ある新人タレントさんのDJを見学させてもらいました。
まだ、コミュニティFMの番組をやり始めたばかりらしいのですが、色々とチェックしないといけないところが一杯でした。
声はマアマアだし、話し方も辛うじて合格点なのですが、肝心の話の内容が伝わってこないとでもいうのでしょうか。
話そうとしていることは何となくわかるのですが、それはあくまでもこちらがわかってあげようという姿勢があるからでしょう。
単に受身的に聞いているリスナー、面白かったら聞いてやるよというリスナーには、何言っているんだこいつは、そんな話するなら音楽でもかけてろと言われかねないのではと思うのです。
タレント君のファンか友達か身内なら、多分話につきあってはくれるでしょうが、普通のリスナーは辛抱してくれません。
下手くそ、やめろ、そんな反応が返ってきそうです。
で、そのタレント君に言いたいのですが、ラジオで一番大事なのはリスナーなのだということを忘れてはいけません。
リスナーに気を使わせてはいけない、ゆったりとした気持ちで自分の話に耳傾けてもらうようにしないとDJ失格なわけです。
気持ちをハイにしたい人には、ハイなしゃべりを、さわやかな気持ちになりたい人には、爽快感あふれる話題とテンポを。
自分が考えたことをみんな喋るのではなく、何を喋ればリスナーは自分の話に興味をもってくれるだろうという発想が大事なのです。
自分に合わせるのではなく、相手に合わせる。
そのために一番大切なことは、自分の中に選択肢を多く持つということだと思います。
引出しを多く持つということでもあり、リスナーよりも豊富な知識を持つということでもあるのです。
知識の量というのは、世界の広がりでもあります。
その知識がただ平面的にダダーとあるのではなく、相互に連絡しあい重層的になっている、複雑なマトリックスを形成している、そんな知識が望まれると思うのです。
日々新しい知識を吸収し、それを再構成して新しい世界を築く。
その世界が、驚きの気持ちや好感でリスナーに受け入れられるとき、喋り手は初めてDJとして認められるのではないでしょうか。
コミュニティFMにおいても、メインは常にリスナー、自分ではないのだということを喋り手の皆さんに再認識してほしいと思います。
などと、そのタレント君に言いたかったのですが、番組に悪影響を与えてはいけないのでそのまま帰ってきました。
やはり、自分のフィールドの中で起きたことには、平常心でいられないのが今の私のようです。