フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ジャズヴォーカル

陽だまりにあるオープンカフェに入り、ビールを注文。
フライドポテトを口に運びながら、ハヤカワミステリなどを読む。
ややボリュームを上げて、音楽が鳴っている。
女性ジャズヴォーカルの特集だろうか。
「ビギン・ザ・ビギン」「アズ・タイムズ・ゴー・バイ」「スターダスト」「オーバー・ザ・レインボー」。
耳になじみの曲がハスキーな女性ヴォーカルとマッチして気持ちがいい。
いつのまにか眠ってしまった。
10〜15分ぐらいだろうか、隣に座った女性の声とタバコの煙で目が覚めた。
「結婚がどうたらこうたら・・・。」
男を相手に、嬉しそうにしゃべっている。
楽しいのはわかるけど、タバコの煙が邪魔だよ、お嬢さん。
ミラーをおかわりし、ハヤカワミステリにもう一度目を落とす。
活字が煙のようにただよい、世界が焦点を結ばない。
ジャズヴォーカルは、その後も続き、陽の光が少しかげり始める。
ここは都会の真中なのに、リゾート地にいるような気分。
音楽は心を揺らすしゃれた小道具。
唐突だけど、コミュニティFMにも、そんな時間を演出するメディアであってほしいなとちょっと思った。
心騒ぐ演出はテレビにまかせておけばいい。
水の中にゆらぐ海藻でありたいと思ってしまう私。
そのリズムは、多分今流れる音楽の中にあるのかもしれない。
人は海より来たり、いつか海へと戻る。
音楽は海の息遣いかもしれない。
再びまどろみつつ、そう想ってしまった梅雨の中休み。