フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

放送局のウェブサイト・4

もう5年以上前の話です。
ある局のサイト担当が、「リスナー相談室」というページを作りました。
どんな質問にも逃げないでお答えします、そんな並々ならぬ決意が書いてありました。
その意気やよし、ですが、内心大丈夫かなと思いました。
リスナーのどんな質問にも答えるなんて、一般の社員では無理だと思ったからです。
最初は、質問はあたりさわりのないものばかり。
曲の問合せとか、番組に出ている人への質問とか、調べればわかることが多かったようです。
その人は、毎回一生懸命その作業に取り組んでおられました。
心からリスナーの立場になって回答されていました。
そのうち、段々答えられないような質問も増えてきました。
編成方針への不満、発言内容へのクレーム、経営方針への批判、大体おまえのところの社長は・・・。
いわゆる荒らしに近い質問です。
サイトを運営するものは、こういった混乱にどう対処するかは身に付けていないといけません。
だが、その人は的確に処理するノーハウを知りませんでした。
質問に答えたり、答えなかったり、更新をしたり、しなかったり。
弱みを見せれば荒らしは、さらに勢いを増します。
そんな状況を上司が見て、「だから、おれはこんなコーナーを作るのには反対だったんだ、どうするんだ、おまえ、こんなページ早く閉鎖しろ!」
泣く泣く、その人は「リスナー相談室」を閉鎖、しばらくは局からの一方的な情報しか流さなくなったというわけです。
私はその人の努力を多としていました。
やろうとしたことはとても立派、上司や会社の経営陣はどうしてその人を守ってあげないのだろうと思った次第です。
でも、無理かもしれません、上司も経営陣も自分達の考え方をユーザーに説得する術を持たなかったからです。
放送局は、ユーザーを相手にするのはできるだけやらないほうがいい。
クライアントや代理店を説得できればそれでいいのだ、ユーザーは寄らしむべし、知らしむべからず。
ウェブごときで責任を問われてたまるものか、、、ですかね。
個人で勝手に情報発信するのを止めはしない。
しかし、それで局に迷惑をかけるのはやめてほしい、多分そう思っているのかもしれません。
ウェブサイトに熱心でないというコミュニティFMがあるとすると、このあたりにも原因があるような気がしますが、いかがでしょうか。