フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

デジタルラジオ情報

地上波デジタルラジオに関する情報が久しぶりに昨日の日本経済新聞に載った。
エフエム東京が、松下や三井物産などが参加するITナビゲーションシステム研究会と組み、デジタルラジオを使って自動車向けに地図情報を配信する実験をするのだとか。
ラジオを聞けば自動的にカーナビの地図が最新の内容に更新されるそうで、2007年度の実用化を目指すと書いてある。
個人的には、何となく「飛ばし記事」ぽい気がするのだが、読んだ後しばらく考え込んでしまった。
これって、ラジオ局の商売になるのだろうか。
5年ぐらい前に、同じような研究会(ITS:高度道路交通システムの研究会)を発足させ、カーナビに最新情報を表示させようという試みがあったはずなのだが、あれはどうなったのだろう。
今回のは、デジタルラジオでもっと大きな容量のデータが流せるようになったということかもしれないが、一体日経はエフエム東京がらみで何回同じような内容を手を変え品を変えて掲載するのだろうか。
花火はいつも上げるのだが、商売につながった例がほとんどない。
それがデジタル世界におけるエフエム東京のデフォルトになってしまうとしたらさびしい限りだ。
同記事にこういう表現があった。
「かぎはデジタル化で魅力的なラジオの使い方を利用者に示せるか。」
かぎも何も、デジタルラジオが成功するかしないかはそれしかないではないか。
今のままだと、デジタルラジオなんかいらないよ、今のアナログで十分だと言われかねないような気がする。
デジタルラジオは、今のところ簡便なラジオという取り扱い方はされていない。
チューナーをPCに取り入れるか、携帯に組み込むか、それともカーナビと連動するかというように、やや重たい扱いをされている状態だ。
軽いラジオというよりも、重たいラジオ(重厚なラジオと言った方が聞こえはいいか)という感じ。
重たいラジオは、こんなに色んなことができますよというイメージになりそうだが、はたしてこれでユーザーは生まれてくるのだろうか。
個人的には、ラジオはどこまでも軽くあってほしい。
少しでも、あ、ちょっとややこしいな、とか、便利かもしれないけど面倒、なんて反応が出ないように、開発には繊細に取り組まないといけないのではと思うのだ。
重いラジオより、軽いラジオ。
地上波デジタルといえど、ラジオならその基本は守ってほしい、2006年5月の私はそう思う次第です。