フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMを開局される方へ・9

あまりに否定的なことばかり書きすぎたかもしれません。
何となく引き気味になられた方もきっとおられるでしょう。
率直に言って、アメリカのラジオと日本のラジオはビジネスモデルが微妙に違っているようです。
1つの都市に100局のラジオ局があっても、アメリカではビジネスは成り立ちます。
それは1つ1つの局がターゲットを明確にもち、そのジャンルではオンリーワンの位置をしめているのだと思われます。
リスナーは1万人でもかまわない。
必ず毎日聞いてくれるコアな客さえつかんでいれば。
その1万人に向けて広告を打ちたいというクライアントがおられるわけです。
その1万人が毎月10万円消費するとしたら、その額は10億円。
その10億円を得るための広告費を10%使うとしたら、ラジオ局に入る金は毎月1億円になる勘定です。
実際にはそんなに入るわけではないでしょうが、そのまた10%(全体の1%)だったとしても月1000万の売上があるわけです。
コミュニティFMでそんな売上、ありますか?
これはワン・ツー・ワン・マーケティングでいうLTV(Life Term Value:顧客生涯価値)と関連するものでもあります。
アメリカ的に言うと、ラジオは1万人の客さえつかめば、十分成り立つといえそうな気がします。
じゃ、日本では何故そうならないのか。
ターゲットをそこまでセグメント化しないということもあるようです。
どの局も同じような客を時間帯別にとりあっているという印象です。
とにかく、雰囲気的にリスナーがいればいいという考え方が目立つのです。
しかも、全国的には東京にキー局があって、ナショナルスポンサーの広告費を適当に分配するというのが、系列局のビジネスモデルといっても過言ではないでしょう。
そんな中で、どうしてアメリカのようなセグメント化された放送局が育つでしょうか。
コミュニティFMを開局しようと言う方は、発想を変えないといけません。
従来のラジオ局の商売のやり方を参考にしてもコミュニティFMの経営は成り立たないと私は思います。
思い切って、セグメント化された局にする。
1万人のコアな客のみを相手にする。
後の方は、とにかく無視。
自治体が広報費を出してくれる時間は、住民全体を対象にした番組をするのは仕方がありません。
しかし、一般クライアントをつかむなら、ターゲットは誰の目にも明らかにしておくべきでしょう。
闇雲に投網を打つなら、仕掛けを限定し1本釣りする、それがコミュニティFMの生きる道ではと思ったりするわけです。
というわけで、このシリーズ、ひとまず今日で打ち止めにしようと思います。
ご意見などがありましたら、メールをいただくか、こちらにコメントなど書いていただければ幸いです。
では、また明日。