フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

貧者のメディア

自分もあまり裕福でないからかもしれないが、ラジオって本当に楽しむのに金が要らないなあと思う。
ラジオなんて、一部のオーディオ機器を除けば安いものである。
テレビやパソコン、果ては携帯電話だって万単位。
ラジオで万単位なんて、そうはない。
100円ラジオだって、十分聞けるのだ。
それでいて、災害には強いというか、自分を守るための最低限の情報は提供してくれる。
聴取料は、ほとんどゼロ、つまり金がかからない。
しかも、ここからが今日の言いたいことなのだが、ラジオは金のかかるようなことをあまり言わないのだ。
セレブを相手にしていないからかもしれないが、東京なら白金台、関西なら芦屋の高級住宅街の特集などほとんどない。
高い宝石の話なんかほとんどしないし、高級スポーツカーの話題もあまり聞いたことがない。
庶民の食べ物、庶民の娯楽、庶民の生活、庶民の問題意識。
リスナーは、ひょっとしたら負け組ばかりではという錯覚さえしてしまう。
勝組=テレビ、負組=ラジオ、などと考えると面白いなあと思ったりする。
となるとデジタルラジオなんて、まず成功しそうにないと思うのは、今のラジオのリスナーをそのまま移行させようとするからかもしれない。
貧者相手に、デジタルラジオは無理ではないだろうか。
貧しいものは、こよなくラジオを愛する。
庶民の生活で満足できる人は、ラジオのある生活で十分ではないだろうか。
森永卓郎さんに「年収300万円時代を生き抜く経済学」というのがあるが、多分300万円時代にはラジオが一番似合うのではと思った次第。
大きなことはできません、小さなことからコツコツと。
それがラジオの生きる道かもしれませんね。