フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

セント・ギガ・2

セント・ギガって何ですか?と思う人も多いようだ。
フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』の「衛星デジタル音楽放送」の項にあらましのことが書いてある。
BS-5ch PCM、つまりWOWOWの“裏チャンネル”で1991年に有料放送の始まった、世界初の衛星デジタル・ラジオという説明でわかる人はわかるかもしれないが。
しかし、あれからもう15年経ったわけである。
少し前まで、BSチューナーに音声放送というボタンがあり、一部無料で聞けたりしたのだが、今はそんなボタンは多分ないのかもしれない。
とにかく、贅沢な番組作りをしていたという印象だ。
これこそが、粋の極みという世界を演出していたというか。
自分の部屋の中に、アメニティ空間を作る、そのためのひとつのツールとしてセント・ギガが提唱されていたのだろう。
だが、今から考えると、少し早すぎたともいえる。
今でこそ、5.1サラウンド、ワイドモニター、高価なマッサージチェアーなどが、癒しの空間を作るのは当たり前になってきている。
セント・ギガは多分そんな演出の一役を買ったかもしれない。
だが、当時はそんなのは空想の産物でしかなかったともいえる。
商品化もされず、単なる趣味人の道楽みたいな扱い方だったと思う。
マスコミ受けはしたかもしれないが、ユーザーのニーズはほとんどなかったのだ。
ニーズもないのに、メディアばかりが先行する。
ミュージックバードもまさしくそうだったし、衛星ラジオも、地上波デジタルラジオも同じ道を歩みかねない。
ユーザーのニーズを無視して、デジラジの商品化はありえない。
ひょっとすると、コミュニティFMもそんな面があったかもしれないという気がする。
一部の人に評価されながら、消えていったセント・ギガ。
収集したサウンドの数々は今どうしているのだろう。