フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

FMと音楽

私がFM局に入った理由に音楽が好きだったということがある。
一番新しい音楽はラジオからというライフスタイルが定着し始めていた頃である。
FM局はその最先端にいた。
また、音楽を流す専門局というイメージによって、FM局はリスナーを獲得し、そのリスナーをターゲットにしたクライアント(音響メーカー、秋葉原日本橋の販売店、レコード関連など)が殺到した。
FM局のコア・コンピタンスは音楽だった。
80年代までは、ということかもしれないが。
今は、音楽だけじゃFM局は飯が食えない、なんていわれるようになった。
AM局はもっぱらトーク
ナイターシーズンはこれに野球中継が加わる。
AM局はデジタルラジオに対して幾分冷ややかだったのは、これらをデジタルに移行しても得られるものが少なかったからのようだ。
AMステレオというのも頓挫した。
そんなニーズはリスナーにはなかったことに今は気づいているはずだ。
同じように、今の放送を支持しているリスナーに、デジタルラジオのニーズはない。
だから、アナログ放送をそのまま続けると言っている。
われわれは今のままで十分だ、まだまだラジオは死なない、という気持ちとともに。
FMはその点少し自信がなさそうだ。
デジタルラジオになれば音楽の聞かせ方はもっと変わるかもしれない。
ダウンロードも可能になるし、音楽のテキストデータも詳細に送れるようになる。
だから、デジタル化はサービスを多様化させるきっかけになることは否定できない。
だが、そのサービスに自信がない。
どんなサービスをすれば、どんなニーズに対応できるかに自信がない。
FM局はもはやAMと同じレベルで戦うことはできないかもしれない。
NACK5が西武ライオンズの中継をやっているが、結局文化放送の補完的機能しか果たせていないように思う。(でもパリーグがなかなかラジオで聞けない東京では重宝はするが)
で、繰り返しになるが、私はFM局のコア・コンピタンスは今も音楽ではないかと思うわけだ。
他に差別化できるものって、何があるだろうか。
とはいえ、従来のような漫然と音楽に依拠するような放送をしていれば限界は目に見えているのは確か。
さて、来るべきデジタル社会に、FM局は音楽で何を実現するか?