フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

叶姉妹はラジオを聞くか?

昨日の話をもう少し具体的にしてみよう。
叶姉妹がセレブかどうかは横に置いておくとして、あの人達がラジオを聞いている姿がイメージできるだろうか。
大型のモニターでテレビやDVDを見ている姿は浮かばないでもない。
しかし、ラジオとなるとどうだろう。
FMを豪華なステレオセットで聞いていた時代なら、ソファに寝そべりながらファッション雑誌を眺め、クラシックやイージーリスニングを聞いていることもあっただろう。
だが、ステレオセットなる言葉も陳腐化した現代においては、そんな情景を思い描くことは難しくなった。
ラジオはもはやゴージャス・メディアではない。
チープ・メディア、カジュアル・メディア、ジャンク・メディア、いわゆるサブカルチャ-的扱いを受けかねない存在になりつつあるのではないだろうか。
広告費でインターネットに追い抜かれたラジオ。
もはや、ラジオ広告費の伸びは民放連の資料でも否定的になっている。
長期低落傾向、それをデジタルラジオが救うかというと、ラジオ業界がそれに可能性を感じていないという事実がある。
低落するのは運命かもしれないが、できるだけゆっくり低落するにはどうしたらいいか、そんなことが議論の対象になってしまいかねない。
あるFM局の役員の方と情報交換した。
ラジオ局は、人が100人いれば、その中のたった2人をつかめばいいのだという話になった。
ラジオは2%メディアなのである。
100人もいれば2人ぐらいは何とか番組のリスナーになってもらえるのではと。
だから、平均的な層に情報を送るのではなく、セグメントされた層をいかにとりこむかを考えないといけない。
いわゆる「こだわり」の演出でもある。
コミュニティFMだと、セグメントされた層に情報を送るよりも、すべての層に情報を送るというスタンスにこだわりがちのような気がする。
3セクの局には、それが公共性なのだと強調されるところもある。
しかし、商売となるとそれでは成り立たないのではないだろうか。
100人を相手にするのではなく、2人を相手にするという発想。
それが叶姉妹であってもいいというか。
極端に聞こえるかもしれないが、まだ可能性がありそうな気がしないでもない。