フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

危機感

昨日の日経BPの記事に対する反論をいくつか読んだ。
反論される方は、おおむね広告業界の方のようだ。
テレビ広告は今後衰退する可能性があるという表現に対して、その誤りを指摘されている。
筆者が現場の事情を知らないまま書いている、インターネット広告に侵食されているのはむしろ雑誌広告である、そんな内容である。
ま、わからないでもない。
業界人のミクロ的な見解は多分そんなところに行くだろう。
現場を知らない、という批判は業界人の常套文句でもある。
私もそういう類の批判をよくされる。
コミュニティFMのことを書いているが、あなたは現場を知らないではないか、というように。
確かにそうだ。
前にも書いたが、現在進行形的にコミュニティFMがどんな状況であるかは殆ど知らない。
関係者と会って話すのは、単なる世間話の延長みたいなものである。
現場の空気までは、そこにいない私には読めない。
一人一人のスタッフの顔も見えないし、どんな放送が日々されているかも肌には伝わらない。
だから、私は個々のコミュニティFMの事情についてはなるべく触れないことにしている。
現象は人の立ち位置によって違って見えるし、一部をもって全体を語る愚はおかしたくない。
ある程度の距離をもって対象を見る、すなわちマクロ的な視点からコミュニティFMを考えた方が、結果的には有意義な指摘ができるのではないか、私はそう考えている。
現場を知らない、だから駄目だというのではなく、そこに指摘されていることを現場の目でとらえなおし、その上で問題点を提起するという議論をしてほしいと上記の反論を読みながら思った。
テレビ広告はやばいという危機感。
広告業界は、まだそこまで強い意識をもっているようには思えない。
というか、広告業界はテレビを売ることによって成り立っているという側面も多い。
なにしろ、テレビ広告ほど効率的に商いができる仕事はない。
一時期の巨人戦の提供を受注すれば、それで一年間何もしなくともいいと笑いながら話してくれた広告会社もあった。
ま、巨人戦も最近はあまりおいしい商品ではなくなってきているので、そんな話をする人もいなくなっているようだが。
テレビ広告が流動化するというのは、他の広告業界にもチャンスが生まれる可能性もあるのではと思う。
最終的にはネットでの勝負となり、要はそこにどう誘導するのかを競う時代になれば、テレビだけがわが世の春というわけにはいくまい。
松下はテレビスポットをやめても、売上は変わらなかった。
この事実は、たぶんテレビ業界にとっては非常に重い事態だと私は思うのだ。
これで危機感をもたないようだと、沈む夕日を誰も止められなくなるだろう。