若者はラジオに期待しない
ある旧知の作家の方と久しぶりに話をした。
その人は、ラジオの現状について意見を述べた後、「だいたい、今の若者はラジオに何も期待していないからね。そう思わない?」と私に聞いてきた。
そうか、若者はラジオに何も期待していないのか。
「私たちの時代はラジオに期待していたものが多かった。だから、毎日ラジオを聞いていた。音楽にしろ、恋愛問題にしろ、若者の悩みにしろ、答えはいつもラジオにあったと言っても過言じゃないと思うんだよ。」
答えはいつもラジオにあった、そうか、ある意味ではそうかもしれないなあ。
「今は答えがあると思う?若者の悩みや迷いを自然に受け止めるような番組があるか?ラジオ業界で活躍している貴方の意見はどうなんだよ。」
え?ラジオ業界で活躍?確かに業界人との接触はあるけど、現場にいるわけでもないので、活躍と言われても・・・。
「もうラジオは駄目なんだよ。それに気づいていないのが怖いんだよね。」
気づいている人は気づいているんですけどね・・・。
「ラジオ文化が衰退するということは、ある意味若者文化の衰退でもあるかもしれないじゃないか。それを補完するメディアて何があると思う。私はないと思うんだけどね。」
若者文化の衰退ねえ、確かに彼らが産み出すものって、模倣の域を出ないものが多そうですね。もはやオリジナリティを産み出すことが難しいステージに入ったのかもしれないですね、人間社会は。
「うちの娘もラジオなんか聞いているの、見たことないしな。」
期待しないというか、興味もないのかもしれませんねえ、これでいいのか、私には判断できません。
「困ったことだねえ」
困りましたねえ。