フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

若者向け番組とは・2

昨日に続いて、私が書いた二伸です。
若者向け番組について書いています。


では、手短に書いてみます。
答え方には二つありまして、ディレクターサイドから見た若者番組とプロデューサー
から見た若者番組があります。
まず、ディレクターサイドから


若者番組を作るのは簡単だと前のメールで言いました。
つまり、若者に受けそうなコンテンツを並べれば、それ風に見えるわけです。
若者が喜びそうなもの
音楽(特にポップス)、ファッション、恋愛、旅行、スポーツ、受験、人生相談、
etc.
これらを順列組み合せで提供すれば、若者定食のできあがり、なわけです。
後は調理の仕方ですが、これは修業がいるでしょうね。
できれば能力のあるディレクターを呼んで、スタッフがその下で働きノーハウを会得
します。
ディレクターは名人であればあるほど、若者定食は客をとらえます。
だから、ここに金を惜しんでいけません。
コミュニティFMの殆どは、設備には金を使っても、調理人(ディレクター)には金を
使いたくないようです。
設備一流、板前三流の店に誰が喜んで食事に来るでしょう。
比喩で説明すれば簡単にわかる理屈。
なのに、コミュニティFMの方々は理解しようとしないのです。
番組制作を甘く見ているのでしょう。
次にプロデューサーサイドからの話。


コミュニティFMの規模だと、一般的に若者番組を作るといっても、投資効率が悪いか
もしれません。
県域局(特にJ-WAVEみたいなもの)のクオリティを作り出すのは金がかかりすぎます。
じゃ、金をかけないとどうなるか。
ほとんどのコミュニティFMの(若者向けと思っている)自主制作番組みたいになりま
す。
じゃ、どうするのか?
ニッチとかコアとか呼ばれているものに特化するしかないでしょう。
方法論的には、今のスタッフの特性を考えるところから始めます。
例えばAさんの趣味。
このことに関しては、おそらく地域でも俺ほど精通しているものはいないと思われて
いるジャンル、それを前に出します。
Aさんのお年は知りませんが、もしヤングアダルト層なら、そのまま番組に乗せて
下さい。
若者は、一般的に自分よりワンランク上の話題に食い付きます。
若者に、若者の話題をぶつけるのではなく、その少し上の話題をぶつけるのです。
よく言うでしょう。
ヤングは常に背伸びをして社会を見ている。
また、人間は自分の像を常に実体よりワンランク上に見るものだと。
Aさんがミドルなら、少し目線を下げて番組を作ることです。
ただし、決して若者はこういう話題に乗るはずだ、みたいな考えはさけることです。
若者を狙いたければ、もう少し上の世代を狙え、なのです。
若者向けの番組を客観的に語ることと、制作者側に立って語ることとは自ずと違うの
です。
だから、若者向け番組はこうこうだから、こう作りなさいと言って番組ができても、
多分若者は聞かないでしょう。
皮肉な話ですが。
制作者側は常にリスナーを低く見ますし、リスナーは制作者側への要求水準を高く見
ます。
そこで、供給者側と受給者側のミスマッチが生まれる。
若者番組がうまく行かないと言う理由のほとんどはこれでしょう。
そりゃ、面白くないといわれるわけですね。
具体的にどういう番組がいいのか、局の事情がわからなければ何ともいえ
ませんが、とにかくニッチとかコアとかをキーワードにして、自分達の得意な分野で
勝負してみて下さい。
一般的な若者番組というだけでは、客はつきません。
とりあえず、今日はこのあたりで。
具体的な企画を御考えになったら、送ってくだされば、アドバイスなど又させてもら
います。


というわけで、リスナー層とのマッチングに関する私の意見をメールを紹介する形で今日は書いてみました。
明日からは、他の層の話も交えてお話させていただきます。
何か、「賑わい」について書く予定が少し寄り道をしていますが、ご了承ください。