フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMの建て前

コミュニティFMを作りたいという自治体から時々問合せが入る。
とりあえず、何をすればいいでしょうかという話から入り、次に開設の企画書の基本を作って下さいという話になる。
自治体がコミュニティFMを開設する理由とは何か。
これは、マニュアルみたいなものがあるので、書くのは簡単かもしれない。
何といっても、地震や台風などに対する防災機能というのが説得力がありそうだ。
被災者に対して一番有効なのはラジオ、特に地域を対象にした放送といえば、たいていの人は納得する。
コミュニティFMは、何にもまして役に立つメディアです。
後、地域コミュニティの活性化とか、地域住民の参加意識を促進するとかがある。
地域の政治家の皆様にも、どんどん放送に参加してもらって、地域への提言などをお願いします、とか。
問題は、商業放送としては儲かる構造にはないということだが、その部分は自治体から毎月広報予算で埋めることで解決できるということになる。
年間一千万ぐらいなら、大丈夫ではないかという漠然とした感想なども聞こえてきそうだ。


さて、コミュニティFMが本当に防災機能に優れており、地域の活性化や市民の生活向上に寄与できるというのは本当だろうか。
確かに私が自治体に提出する資料にはそう書くだろうことは疑いない。
だが、心の中ではこう思っている。
これは、すべて建て前だ、と。
理想的に行けば、防災機能もOKだし、地域の活性化もありえるだろう。
しかし、コミュニティFMが開局したら、即これらがOKであると思うのは大きな間違いである。
放送局ができればすべてがOKなんてのは明らかな間違いだ。
だが、人々の心の中には、どこかそんな神話が存在している。
少しずつそんな神話は揺らぎつつあるが、それでもまだ人々への訴求力が残存しているようである。
それでなければ、こんな状態でもコミュニティFMを作りたいと言う人が次々に出てくるのを説明できないと私は思うのだが。