フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ある経験

私がまあまあ評価しているディレクターがいた。
「面白い企画を考えているなら聞かせてよ。」と言ったら、実はAというアイドルで全くスタジオを使わない番組をやりたいと彼は答えた。
スタジオを使わない、つまり全部ロケ収録のラジオ番組を作りたいというのだ。
テレビで言えば「タモリ倶楽部」みたいなものか。
確かに面白いのだが、出演がAではスポンサーはつきにくいだろうなと思った。
そこそこ人気もあるのだが、何もFM番組のDJをやらなくてもと、代理店筋から言われかねない。
その時は一応聞き置いただけになってしまったが、後日、あるレコード会社からシンガーソングライター系の新人の番組を作ってほしいという依頼が来た。
制作費は、ある程度宣伝費で面倒みるのでプランニングしてほしいという話だった。
そこで、私は件のディレクターのことを思い出した。
Aじゃないけど、スタジオを使わない番組はできるかもしれない。
オールロケでもかまわないか、と聞くとレコード会社も事務所もかまわないと言う。
で、彼に連絡した、やってみないか?と。
Aじゃないのが不服そうではあったが、オールロケのFM番組が作れるということには素直に喜んでくれた。
私は、それからロケ用の専用ワゴン車を調達し、ロケスタッフも普通の倍の人数を用意した。
週一の一時間番組(それもローカル)にこんなに手間をかけていいのかと思ったりしたが、画期的な番組を作ろうという意欲は誰よりも強かった私であった。
番組提供スポンサーもスタート時までには決定し、そこそこの制作費は確保でき、中味もさほどチープにもならず1年半続いた。
幸い、とてもいいリスナーに恵まれ、番組も評判のうち終了したわけだが、何とその番組の内容がリスナーの方々の努力ですべてサイトにアップされ、今も閲覧できるというのがとても嬉しい。
その一人の方は、あるコミュニティFMで番組作りをされていると聞いている。
きっと楽しい番組を作っておられることだろう。
手前味噌だが、そのサイトをこの欄とリンクさせてもらうことにした。
興味のある方は、どうぞ見てあげていただければ幸いである。
その番組の名は以下の通り。


松浦有希の夕暮れ探検隊


プロデューサーとディレクターのいい形での経験のひとこまとして、これからも記憶にとどめたい番組である。