フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

プロデューサー入門

プロデューサーとは何ものなのか。
昨日に続いて、私が10年前に書いた文章(「プロデューサー入門」)から転載する。
今日も少し長くなるが、適当に読み飛ばしてもらいたい。

放送局には、番組スタッフとしてプロデューサー(P)、ディレクター(D)、アシスタント・ディレクター(AD)、ミキサーが存在している。
これ以外に放送の現場には、台本を書くライターがいたり、アルバイトのアシスタントがいたり、タレントのマネージャーさんがいたりする。
通常、プロデューサーは用事がなければ、現場にはあまり顔を出さない。
重要な連絡事項があったり、直接言った方がよいと判断した場合に、「みんな元気でやってる」などと言いながらスタジオを覗くのが普通だ。
いいかえれば、平時にはほとんど必要がないのがプロデューサーだといえる。

ではプロデューサーは普段何をしているのだろうか。
プロデューサーの仕事というと、まずは企画を考えること、こういう番組を作れば話題になる、スポンサーがつきやすい、
そう思ってせっせと企画書を作るのがメインである。
つまり、スポンサーが喜んでお金を出してくれる番組をどれだけ企画できるかで、プロデューサーの評価が決まるということになる。
この時間はどんなリスナーが聞いているのか、聞いてくれる可能性があるのか、
そのためにはどういう番組を作るべきか、番組のコンセプトは?最適なタレントは?
Dやライターは誰にする?どういうスポンサーがこういう企画に乗ってくれる?
これらに一つ一つ答えを出すのがプロデューサーの役目なのである。

それゆえ、プロデューサーは勉強熱心でなければならない。
マーケティングにも相応の知識が必要だし、人脈にも精通し、新人の発掘にも精力を傾けねばならない。
勉強嫌い、人間嫌い、努力するの嫌いという人には向かない商売といえるだろう。
それと、リーダー的素質がないといけないということも重要である。
一匹狼的なプロデューサーも存在するだろうが、基本的にリーダー型人間しかプロデューサーとしては大成しないというのが私の考えである。
一般にDが出世するとプロデューサーになるように思われているようだが、私はこれは間違いだと思う。
Dは才能さえあれば、そんなに人間性は問われない。
芸術家肌でよいし、人間嫌いでも勉強嫌いでもかまわない。
単なるええかっこしいでもいいし、自己顕示欲の塊と揶揄されるような人格でもかまわない。
よい番組さえ作ってくれればいいのだ。
人柄がよくても、リーダー型の人間でも、誰も喜んでくれないような番組ばかり作っていてはディレクター失格である。
だが、プロデューサーはそれでは困る。
芸術家をきどられては周りが迷惑、もっと生臭い存在でいてほしい、それがプロデューサーだと私は思っている。



昨日も書いたが、プロデューサーはピラミッド型組織に当てはめるのはやめたほうがいい。
ディレクターが管理職になるとプロデューサーになるのではない。
自ずと役割は違うのだ。
名ディレクターが名プロデューサーではないことは、すでに経験的にみなさんがお分かりになっていることだろう。
何だか、今日は昨日の話を繰り返しただけのようになってしまった。
明日は、私の話を中心に書いてみるつもりだ。