フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

プロデューサーの時代

しばらく、プロデューサーについて語ることにしたい。
まず、10年ほど前にミニコミ誌に掲載した<企業内プロデューサーのすすめ>から一部引用させてもらう。
長くなるが御容赦いただきたい。


■プロデューサーとは


映画や演劇、放送の世界でプロデューサーという存在は認知されてきているようだが、他の世界にもプロデューサーという立場の人はいる。
イベントのプロデューサー、宣伝広告などの企画プロジェクトのプロデューサーなどだ。
プロデューサーはクリエイティブな分野では重要な役割を占めている。
企画を立案し、それに必要な予算を確保し、スタッフを集め、商品をクリエイトする。
商品のターゲットを明確にし、マーケティングにそった宣伝計画を練り、営業計画を立案して行く。
そしてその結果を分析しながら、次の商品のプランを考える。
それが、私の考えるプロデューサーということになる。


おそらく、ほとんどのビジネスの世界で、プロデューサーの必要性が望まれてくるだろう。
なぜなら、ビジネスは今後クリエイティブな要素が増大することは確かだと思うからである。


■ビジネスは変わる


従来は大量生産、大量消費の時代だった。
大衆の需要にあわせて商品を作れば、伝統的な営業スタイルでも十分販売実績は上がった。
しかし、今は多様なニーズにあわせた多種生産の時代になった。
過去のスタイルを踏襲するだけでは、販売実績は上がらないし、何より営業マンのモラルを高めることはできなくなっている。
そこで必要な人材は、過去のようなやり手の営業管理職ではなく、常にクリエイティブな発想で
ビジネスを考えるプロデューサーではないだろうか。


プロデューサーはそれ自体専門職である。
職場のピラミッド型組織にはなじまず、むしろ並列型組織の中の役割(役職)と考えられる。
それゆえ、部長や課長といった出世階段の位階ととらえることはできない。
今までの日本の組織が、終身雇用と年功序列を基本に構成されてきたが、今やグローバル化の名の下にそれらが少しずつ否定されつつある。
自ずと労働者の意識も変わらざるを得なくなるが、その中でもドラスティックに変わるだろうと思われるのが、
サラリーマン意識からプロフェッショナル意識への変化である。
これからは、ビジネスマンは何らかのプロでないと生きていけなくなるのではないだろうか。
将来、例えば経営者(社長)になりたいと思えば、やはりゼネラリストとしての研鑽を必要とするわけで、
従来のように役職を上がって行けばその向こうに社長の椅子があるという時代ではなくなるだろう。


これからの企業にとって、過去の方法論がほとんど通用しなくなるとすれば、プロデューサーを育てるという視点もまた有効であると認識される可能性もあるだろう。
私はこれからの時代はプロデューサーの時代であると確信している。
今の時代にプロデューサー的視点が少しでもある企業は、先が見えないという環境の中でも確実に生き続けるであろうと私は思っている。


さて、10年たって、ここに書いてあるようなプロデューサーが今の時代に必要とされているのか、そのあたりを考えながら、明日この続きを書くことにする。