フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

グッドモーニング・ベトナム

映画「グッドモーニング・ベトナム」のロビン・ウィリアムスは実に魅力的なDJだった。
リスナーが今何を聞きたがっているか、何に不満を持ち、何に絶望しているかも知っていた。
だから、彼は人々が心から楽しくなれるような話題、心から共感できるような音楽を次から次と供給した。
リスナー、ほとんどが米軍兵士だが、彼のDJをとても好ましく思っていた。
思わないのが、いわゆる融通のきかない官僚連中。
放送は何のためにするのか、放送を通じて米軍は何を実現するのかなどを書いた文書にただ忠実に従うだけ。
エンターテインメントなんか、公的文書に存在しないのだろう。
面白かろうと退屈だろうと、文書から逸脱しない形での放送が義務付けられる。
逸脱しなければ、それは業務としてOKなのである。
さて、コミュニティFMである。
もちろん、ロビン・ウィリアムスのようなDJが現れば、リスナーは拍手喝采であろう。
彼のショウタイムになれば、自然とダイヤルを合わせ、自分の日常の中に彼のメッセージを組み込んで行くことだろう。
だが、そんなDJ、果たしてコミュニティFMに生まれるだろうか。
融通のきかない官僚連中がやってきて、「あれは、ちょっと」「これはもう少しセーブしてもらって」などと口を挟むのではなかろうか。
毒を抜けば、何も面白くないのに、この連中は毒を抜け、毒を抜けとだけ叫ぶ。
あげく、落語「目黒のさんま」のように、油が抜け切った何の味もしないサンマになってしまいかねない。
面白い番組を作るには、枠でガチガチにかためないこと、少々の脱線は許し、リスナーが喜ぶのなら邪魔をしないことが必要だ。
結局、人気を得たものが勝ちなのである。
権力者は口出しをするな、それがコミュニティFMを活性化させる極意かも。