コミュニティFM 600局構想

少し前だが、ある人と霞ヶ関の総務省を訪れた。
一緒に行った人は、10年ぐらい前からコミュニティFMの立ち上げ業務を始めていた人。
その人は、今後もコミュニティFMを増やして、自分の仕事を維持しようと企図していた。
で、コミュニティFM担当の方にこう聞いた。
当初、郵政省は全国の市や町にコミュニティFMを整備するという計画がありましたね。
大体、全国で600局ぐらい作ろうと言う話でしたが、今はどうなっていますか。
担当の方は苦笑いしながら、答えた。
確かにそんな構想があった時代もありましたが、今はそういう話はちょっと。
どこも放送を維持するのが精一杯のようです。
私達も今の放送局をバックアップするのも大変で、新しい局を増やす余裕などないのが実情です。
600局構想などもう存在しないと断言されて、その人は大いに落胆して総務省を後にした。
同席した私は、そりゃまあそうだろうと思ったものだった。
コミュニティFMが産業的に自立できるとは、とても思えないものなあ。
あれから3年ぐらい経った。
その人は、でもまだ元気に新局立ち上げに奮闘されている。
私のところにも、コミュニティFMを作りたいという人からの連絡がある。
国からはあまり期待されていないかもしれないが、やりたい人はまだまだおられるのだ。
私もできるだけのことは今後もして行きたいと思っている。