最初は損してもいいと言ったのに

あるコミュニティFMのオーナーだった人がこう言っていたそうだ。


私は、自分が今の放送局に対して不満だったことを、このコミュニティFMで実現したい。
誰からも評価されるような放送局をめざす。
その為には、多少の赤字は覚悟の上だ。
自分の財産でそれを埋めることも厭うつもりはない。


拍手喝采という雰囲気だったのだろうが、それを聞いた私は、それじゃ続かないだろうと思ったりした。
自分の財産使うなら、最初から商業放送にする必要はないだろう。
そんなの、自己満足、趣味的放送ではないか。
あなたの趣味を実現する為に、スポンサーから金をとるつもりか。
悪いが、そんな放送をまずリスナーは聞かない。
あなたが聞かせたいことをリスナーに押しつけているのと同じなのだ。
リスナーが聞きたいことを放送する、だからリスナーは聞くのだ。
落語で言う、「寝床」なのだ。
こちらから御馳走して、色々と歓待して、やっと客はあなたの芸とやらを聞いてくれるのだ。
金とろうだなんて、何を考えているのだろう。
自分の財産で赤字を埋めるのは勝手だが、そんな了見ではリスナーもスポンサーも相手にしなくなるのは目に見えている。
あなたの趣味のために、公共の電波を使うのは元々問題ではあるのだが。