フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

生放送のメリット

コミュニティFMのコンテンツとなると、何ともお寒いものが多い。
広域のFM局とくらべればそれはよくわかる。
喋りは落ちるし、情報も旬のものは少ないし、表現の仕方も実に素人。
こんなの態々聞く気になるかと思うのだが、こういう時に少しでも許されるのが生放送だ。
生放送だったら、少々コンテンツが貧弱でも許せたりするものだ。
リスナーが、どこかで望んでいるのは同じ時間、空間を共有しているという感覚。
DJが「あ、虹が出ていますよ、きれいですねえ」と言えば、リスナーは「え?どこに」と思って、窓の外を見るだろう。
「ホントだ、きれいだ」、そう思ってもらえたら本望だろう。
こんなのは生だからできることだ。
録音番組では、「何だ録音か」と思われるだけで、リスナーが去ったりしかねない。
貧弱な内容をカバーするもの、それが生放送という形態だと私は思う。


阪神大震災が起こった時、私はたまたま仕事で大阪にいた。
早朝、小刻みな激しい揺れに起こされた私は、急いでテレビをつけた。
この時間なら、どこかで生放送をやっているだろうと思ったからだ。
朝日放送だったと思う。
画面は真っ暗、だが声だけはする。
キャアー、うわあどうしたんやあ、キャア、キャア・・・
阿鼻叫喚であった、特に女性タレントはひたすら悲鳴を上げるだけだった。
どうも照明が飛んだらしい。
そりゃあ、真っ暗で何も見えないのだから、叫ぶしかない。
不謹慎かも知れないが、とても面白かった。
やはり生放送でないとこうはいかない。
地震が起きている時の録音番組ほど腹立たしいものはないと貴方は思わないか。
コミュニティFMの基本は生放送、私は強くそう思う。