フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コンクリートから人へ

鳩山由紀夫首相の施政方針演説、私はなかなか面白かったと思う。
ヒトラーの演説を思い出した、などと自民党総裁の谷垣さんがコメントされていたが、悪いけど内容的には全然違う。
ヒトラー・ユーゲントが歓声を上げるというアナロジーは、詩人としてなら理解できるが。
さて、その中で鳩山首相は「コンクリートから人へ」という理念を再度提唱されていた。
考え方自体は私も大賛成。
コンクリートに金を使っても、それを活用できる人がいなければ宝の持ち腐れでもあることだし。
ただ、実際には簡単ではない。
何しろ、コンクリートは計算できるのである。
人は、コンクリートほど均一ではない。
1億円のコンクリートは、普遍的にコンクリートとしてその機能を果たす。
だが、人は、均質なものとして扱うことはできない。
1億円の人は、普遍的に1億円の人ではない。
計算できるものは単純化できるが、計算できないものは従属変数となって、事態を複雑にするだけだ。
人は単純に数値化できない、多分そういうことだろう。
コミュニティFMも同じ構造を持つ。
コンクリートコミュニティFMの開局、それは計量的に単純化できるので予算化もしやすい。
しかし、コミュニティFMを支える人は、事前に予算化できない、何故ならその価値を計る数式が一般化されていないからだ。
とにかく、開局できたら後は何とかなるだろうと言うしか答がない。
コンクリートは作れても、人は作れない。
コンクリートを維持するための費用が補助金として付加されない限り、ほとんどのコミュニティFMは行き場を失う。
コンクリートから人へ、私もその理念を共有するのだが、それは試行錯誤の歴史でもある。
期待して見守って行くしかないだろう。