フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

リスナーの数

昨日、コミュニティFMのリスナーの数などを考えてしまいましたが、本当は広域のFM局も同じようなものなのだと思います。
正味のリスナー、はたして何人いるのでしょうか。
昔の話になりますが、リスナープレゼントでカーステレオ(5万円相当)を250台プレゼントというキャンペーンを1ヶ月やったことがあります。
商品代だけでも1000万円を使いました。
当時は、車の標準装備はAMラジオのみという時代。
FMのチューナーがついて、しかもステレオということで、応募総数は55000通でした。
55000通と簡単に言葉でいいますが、その量は半端ではなく、会議室を一つつぶして葉書を並べ、婦人警官(※)立会いのもと、厳正な抽選をして、250人の当選者を決めました。
局内では、いやあ大成功大成功、こんなに反響があるとは大喜びしていたものです。


いえ、私は何も成功体験の一つを紹介しようと思ったわけではありません。
今のネットの時代から考えれば、たかが5万の応募なのです。
この5万通あまりのうち、一体どれぐらいが重複していることでしょう。
欲しい人は、10枚も20枚も応募してきます。
100枚以上出した人もいるかもしれません。
それでいけば、ひょっとしたら5万通も実際は5000人からの応募だったかもしれないのです。
しかもこれ、1ヶ月間キャンペーンスポットを乱発した結果でもあるのです。
FM雑誌にも、当然のごとく大々的に発表しました。
朝日や読売などの全五段にも載せました。
確かに5万あまりの応募はすごいことですが、それで私たちのリスナーは何百万人もいるという証明にはなりません。
当時の、FM局の売上、年商10億〜15億ぐらいではなかったでしょうか。
単純にすると、月1億の売上です。
昨日書いた理屈で言うと、月5億の消費をFM放送によって生み出さないといけません。
リスナーが1万人だったら、一人当たり5万の消費が新たに生まれないといけないわけです。
はたして、当時のFMにそんな力はあったでしょうか。
ま、このあたり、メディアミックスと称しまして、FM雑誌との相乗効果で若者たちから大きな消費(音響機器とかレコードとか)を引き出していましたから、何とか理屈はついたのだと思います。
そして、今です。
FMには、そんな強力なメディアミックス・パートナーは存在しなくなりました。
今、ほとんどのFM局は裸で戦っていると言っても過言ではありません。
そりゃ、この不景気のご時世、赤字局が大幅増になるのも不思議ではないのです。
コミュニティFMが四苦八苦するのも、当然といえば当然かもしれません。
明日も、これに関連する話を続けます。


(※)婦人警官立会いの上というのは、当時の告知原稿に堂々と書かれていました。別に警官立会いの上という表現でいいのに、何故婦人警官でないといけないのかと社内で疑問が出たのですが、何かわけわからないのが面白いとそのままになったらしいのです。