フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

スペシャリスト・5

今日、ある局の役員の方とランチをご一緒しました。
その中で、営業マンのスペシャリストの話が出たので、少しご報告します。
営業マンというのは、どんなところへでも顔を出して、多くの人に会うのが仕事だと思われているようです。
ある意味それも間違いではありませんが、本当の業績を上げることができる営業マン(放送局員として)は、テリトリーを自分である程度限定するのだそうです。
例として、SC(ショッピングセンター)を開拓した営業マンの話になりました。
まだSCがそれほど生まれていなかった頃、その営業マンはある人から紹介を受けてクライアントに出向きました。
そこには宣伝担当という方もおられましたが、立案するのはほとんどAE的な広告代理店。
それをSCのテナントで構成する販促委員会に提示し、承認を受けるのですが、SCの方法論がまだ確立されていなかった頃ですから、店のテナントのオヤジ連中から相当の突っ込みがあったといいます。
その模様をクライアントと一緒にじっと見ていた営業マン。
思いついたのか、その頃有名になりつつあったパルコの方法論などを学びに行ったそうです。
SCといえば、パルコの存在はピカイチでした。
パルコでは今こうやっている、ああやっている、そういう知識を持っていると持っていないとでは、クライアントの受けが違っていました。
いわゆるSC特有の言葉も理解できるようになり、いつのまにか放送局の営業マンとしてSCのスペシャリストみたいな存在になったそうです。
時代は、あちこちにSCが生まれる頃で、彼が飛び込みでまわるSCというSCが最終的に出稿を承諾してくれたそうです。
彼は、早い話、SCの情報を持って、他のSCを回ったのです。
どこそこは、こんなセールをやる、どこそこは、こんなイベントを考えている。
もちろん、スパイをするわけではありません。
そういうセールをやるのだから、このSCも何か考えないといけませんよとアドバイスして回るのです。
荷をかついだ商人がお得意を回るように、荷のかわりに他の店の情報を背負って、営業活動をしていたというわけです。
同じ業種ばかり回った方が、彼のアドバンテージは増えます。
同じ業種を回るのは信義に反するなんて彼は考えません。
それの方が効率がいいし、クライアントもその情報を待っててくれる。
ある時は、SC同士を提携させたこともあるといいます。
確かに、スペシャリストになるには、色んな業種を回っていては限度があるかもしれません。
前に書いた、スペシャリストとジェネラリスト。
同一業種ばかり回る営業と、別の業種を回る営業、そこにこの対比をちょっと見てしまう私なのでした。
もちろん、それが良いか悪いかは、私の範疇ではありません。