フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

デジタルラジオ考・6

2006-10-07のこの欄で、デジタルラジオについて比較的まとまった話をしています。
http://d.hatena.ne.jp/from3/20061007
特に、その時も紹介させてもらった以下のサイトは、私も納得できる点が多かったと思います。
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/31156.html
さて、今の放送業界にとって、デジタルラジオ問題は、既得権者による周波数の独占状態を維持できるかどうかの問題なのではないでしょうか。
とにかく自分達が生き残るためには、新勢力が無原則に新たに放送業界に参入することを認めてはいけないのです。
自分達が許容できるもの、つまり既得権者の利益を著しく害さないものしか仲間に入れないと考えているのだと思います。
勿論、具体的にそう意識しているかどうかはわかりません。
ただ、業界人の考え方、反応の仕方を見ていると、多分そうなのではないかと思っているわけです。
マルチプレックスは、TFMなどのメジャーなラジオ局にとっては、歓迎できるスキームだったのでしょう。
産経新聞のインタビューで、TFMの後藤会長は「マルチプレックスは、財団法人のような横並び出資みたいな形式にすると責任意識が希薄になる。だからTFMは一番多く出資して、責任をもってデジタルラジオ業界を繁栄させたいと思っている」というニュアンスの発言をされていました。
TFMがデジタルラジオ業界をリードする、その決意だったのだろうと思っています。
言い換えればTFMの意志にそぐわなければ、デジタルラジオへの新規参入はできないということになるわけで、それがデジタルラジオフォーラムへの延べ100社以上の参加ということにつながったのでしょう。
とはいえ、マルチプレックスの夢はもはやしぼんでしまいました。
VHF帯の1〜3chを狙うJ-WAVE陣営、4〜12chを今もひそかに狙うDRP陣営、Media FLOやDVB-H方式ラジオ放送などの新興勢力も虎視眈々と出番を伺っています。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/pdf/060606_1_138.pdf
http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/06/26/comasia5/index.html
これからのラジオ業界がどうなるか、今の放送業界人の思惑内でおさまるとは私は思っていません。
残念なのは、放送業界のほとんどの人間がそれに無知なことで、いつまでも昔の夢を追いつづけているだけという気がしてなりません。
黒船の来航にあわてふためく結果になるのか、しばらく注視していきたいと思っています。