フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

粗利80%

ラジオ業界は絶望的だ、今日会った放送局の経理担当役員はずっと現状をぼやいておられた。
何がそんなに悪いと思うのですかと聞く私に、今までのラジオ局の売上はほとんどが電波料だった、電波料はすなわちほとんど利益だったのに、最近その電波料という収入が減る一方なのだと言う。
考えれば、電波料というのは粗利率80%なのだ。(残りの20%は代理店マージン)
放送をすることは、札を刷ることと同じだったともいえる。
何しろ、電波料を生み出すのは空気そのものなのだから。
ただの空気を仕入れて、ちょっと加工して売っているわけである。
その加工賃(制作費)も、スポンサーから丸々もらっていたりするわけだから、儲からないほうがおかしかった。
だが、もはや夢のような世界はラジオにはない。
経理担当役員によれば、利益率のいい電波料は減る一方。
売上そのものは昨年とさほど変らなくとも、粗利率は相当悪くなっているのだという。
経費ばかりかかって、利益はほとんどない、そんな仕事でも売上をキープするには必要だということなのだろう。
毎月の支出をカットし、利益の低下を補ってはいるが、こんな乗り切り方ですむとはとても思えない、何か別の収支構造を考えないと、遅かれ早かれ店じまいの憂き目に遭うだろうとも。
ラジオはもうだめだ、の繰り返しになるわけだ。
聞いていて、心が痛む。
ラジオがどうなろうと私自身にはそれほど実害はないが、業界OBとしては何とかならないのかとつい考え込んでしまうのだ。
こんな話を聞いていると、コミュニティFMがどうのこうのなんて言ってられなくなる。
コミュニティFMは儲かる構造になっていないとの私の主張は、ラジオ自体がもはや儲かる構造になっていないと言い換えないといけないかもしれない。
しばらくラジオ業界から離れていた間に、とんでもない事態が進行していたというわけか。
さて、どうしようか。
久しぶりにラジオの手伝いをしてしまったばかりに、知りたくもなかったラジオの真実に気づいてしまった。
暗澹たる気分である。