フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

あなたに言われたくない

ラジオ局のスタジオでディレクターと新人の女性タレントが打合せをしていた。
番組の内容をタレントさんが考えてきたようで、それについてディレクターがチェックを入れていた。
「ワンレン、ボディコンの女性が、当時ジュリアナ東京に集まってきて・・・」という原稿を見ながら、「あのねえ、君はジュリアナ東京のこと、どれだけ知っているの?」とディレクター氏は言う。
「え?あの、普通のOLが上品な夜を過ごせるディスコとかで・・」
「だからさ、それはウィキペディアか何かに書いてあったことだろう、それを知ったかぶりして言ったりしちゃだめだよ、第一、ジュリアナ東京ってバブル全盛の頃だから、今から15年ぐらい前の話だろ、君はまだ小学校にも通っていなかったんじゃないの?」
「あの、私、早生まれなので・・」
「関係ないよ、だから君のような年の子が、まともにジュリアナ東京の話なんかしちゃだめだよ。それを聞いてわかるリスナーは、皆君より年上なんだから、君に言われても説得性を感じないだろう。」
「やっぱり、ヴェルファーレの話にした方がいいんですか?」
「そうじゃなくってさ、君の視点から見たジュリアナ東京があるだろうって言っているんだよ。子供の目から見たジュリアナ東京とか、後で映像で見たジュリ扇を振るワンレン、ボデコンの女性を見て、どう思ったとかさ、あくまで君の目線で語らないと、どこかに書いてあったことを読んでいるみたいな印象はよくないと思うんだ。」
「ああ、私の意見が必要なんですね・・。やっぱり、カッコイイとか、熱気があるとか・・。」
少し離れて聞いていたのだが、タレントさんのピントはずれな受け答えがとても面白かった。
ディレクター氏のイライラ度がこちらにも伝わってきたほどだ。
別にこれは、ジュリアナ東京がどうのこうのという話ではない。
話の内容が、リスナーをどれだけ意識しているかどうかの問題なのだ。
自分が面白いと思って話をするのではなく、リスナーがどれだけこの話を面白いと思ってくれるかを基準にしないといけない。
アイドルだったら、ファンの子はどんな内容だって聞いてくれるだろう。
しかし、タレントの基本はどんな人でも興味を持って聞いてくれる話をすることだ。
それを件のタレント嬢はあまり理解できていない。
ディレクター氏がいらつくのもわかる話である。
コミュニティFMの現場でも、こんな話、ありそうな気がするのだがどうだろうか。
どういう場合であれ、基本は疎かにしてほしくない、今日私が痛切に感じたことである。